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最新パーツ性能チェック ― 第60回

【最新パーツ性能チェックVol.60】

新生「Phenom X4」は悩めるAMDファンの福音となる!

2008年04月01日 13時00分更新

文● 加藤 勝明

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消費電力と熱はやはり……

 それでは最後に消費電力と発熱のチェックだ。消費電力は「ワットチェッカー」を使い、アイドル時とCinebench R10実行中(4CPUテスト)のピークを計測した。

消費電力
消費電力(単位:W) ←better

 9850BEのコア電圧は約1.25V。その上高クロックであることも手伝ってアイドル時の消費電力は高めだ。テストマシンにGeForce 8800GTXを使っている上にクアッドコアだから消費電力が高いのは当たり前だが、それでもピーク300Wオーバーというのは今どきどうよ……という感じがする。一日も早く45nmに移行することを期待して止まない結果となった。

 次は温度だ。先の消費電力測定中の最高温度を「AMD OverDrive」で読み取っている。ただし、今回入手した9850BEにはクーラーが付属していなかったため、9500に付属していたクーラーを使い計測している。TDP95Wの9500と125Wの9850BEに同じクーラーを使のはナンセンスもいいところだが、全くの同条件でどの程度発熱量が違うか、という観点からデータを眺めて欲しい。

CPU温度
CPU温度(単位:℃) ←better

 やはりというか当たり前というか、9500付属のクーラーではアイドルからして50度弱と、基本的な発熱量は格段に増している。ベンチの際はサイズ製CPUクーラー「Andy」を使用したが、ヒートパイプ部分が熱を帯びていた。フラッグシップモデルだけに冷却はしっかりと考える必要はありそうだ。

ようやく見せたAMDの本気

 1つ前の製品である9600BEが発売されたのは昨年のクリスマス。それを考えると実に4ヵ月近いブランクを経て9850BEを始めとしたB3ステッピング採用品が登場した訳である。TLBエラッタがあるためにPhenomはちょっと……と考えていた人にとってはまさに福音のような製品となったのは間違いない。消費電力や発熱は決して少ないとはいえないながらも、倍率ロックが施されている9750との価格差はわずか2000円程度と(約2万8千円に対し約3万円)非常に値ごろ感が高く、オーバークロックで遊びたい人にとってもかなり魅力的な製品となっている。
 しかし、依然としてコアの基本設計は変わらないままであり、もう1つピリッとしない感じがするという批判もできる。PCパーツ市場向けにTDP95Wの9750や65Wの9150e(前出の表の9100e)が提供されれば、また評価も変わってくるところだが、今のままではAMDファンやオーバークロッカーの注目は集めても、そろそろマルチコアCPUに切りかえようと考える潜在ユーザーへのアピールが弱い。同価格帯にはTDP65Wの「Core 2 Quad Q6600」もあるため、正直苦しいところだ。
 と、このように賛否がわかれる製品となったわけだが、個人的には9850BEは“ようやく見せたAMDの本気”の結晶ではないか、と考える。B3ステッピングの新生Phenomが、ようやく訪れたAMDの“春”にならんことを祈りたい。

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