デルは2月29日、報道関係者向けのストレージ戦略説明会を開いた。昨年11月に買収した米イコールロジックの製品をラインナップに追加し、直販でも販売していく。
「PowerVault」「Dell|EMC」に続く新ブランドを投入
米デルは昨年11月、iSCSIストレージ専業ベンダーの米イコールロジックの買収を発表。2月5日には、早くも統合後初の成果となる「Dell EqualLogic PS5000シリーズ」を投入した。
デルはイコールロジックの買収以前から、「PowerVault」ブランドのNAS/DASや、EMCとの協業による「Dell|EMC」ブランドで「AXシリーズ」「CXシリーズ」を展開している。AX/CXシリーズはファイバチャネル(FC)およびiSCSIに対応したSANストレージ製品だ。
一方の今回投入したPS5000シリーズは、iSCSI専用のSANストレージ。iSCSIはサーバがアクセスするポートをダイナミックに切り替えられるため、仮想化環境を構築しやすいという。また、パフォーマンスチューニングの自動化機能を持ち、充実した管理機能を標準で備えているため、管理コストを低く抑えられるのも強みだ。
とはいえ、PSシリーズの価格帯は800万~1500万円。従来からのCXシリーズとほぼ重なるため、販売面での“売りにくさ”の感も否めない。これに対してデルは「iSCSIとFCは戦うものではない。両輪で広がっていくものだ」と強調する。「幅広い選択肢の中からお客様が選択するもの」(エンタープライズ マーケティング本部 本部長の中島耕一郎氏)との立場だ。
日本においては、旧イコールロジックの日本法人をデルが吸収し、代表を務めていた秋山将人氏を新設したイコールロジック営業本部本部長に迎え入れた。秋山氏は「イコールロジックが弱かったオラクルやレッドハットとの関係をデルによって強くできる。開発のスピードも上げられるはず」と話し、今後の展開に期待を込める。
デルは旧イコールロジックの代理店による販売を維持しながら、自社のサーバ製品を利用する顧客に対して直販でもPSシリーズを拡販していく。「もっとも広範なラインナップでiSCSI革命をリードしていく」(中島氏)という。