デルは東京都内で記者会見を実施し、会長兼最高経営責任者のマイケル・デル氏が企業のIT投資の効率を高める新たなグローバル戦略「ITのシンプル化」を発表した。
“標準化”“統合”“自動化”によってIT投資対費用効果を向上
デルはグローバル戦略「ITのシンプル化」構想を、日本を含むアジア太平洋地域で積極的に展開していくことを発表した。
デルが「SIMPLIFY IT」をスローガンに全世界で展開を開始している新戦略「ITのシンプル化」は、非効率な作業を減らし、ITインフラの“標準化”“統合”“自動化”によって、人材の有効活用や生産性の向上を実現するというもの。

デル 会長兼最高経営責任者(CEO) マイケル・デル氏
デル 会長兼最高経営責任者(CEO) マイケル・デル氏
同社の会長兼最高経営責任者のマイケル・デル氏は「企業のIT投資は75%が企業ガバナンスやリスク管理、現在の機器のメンテナンス費用などに使われており、新しい成長に繋がる投資に繋がっていない。ITをシンプル化することによって、低コストで効率的に運用することができ、IT投資はより企業の発展に寄与する」と述べる。
そこで、デルは顧客のIT環境を分析するツール「ITシンプル化評価ツール」を同社のWebサイトから提供する。これは導入から運用までのITライフサイクルにおける効率性やシステムの柔軟性などを計測するためのツール。現在は10月初旬にリリースした英語版のみの提供となっており、日本語版の登場は未定となっている。
「アジア市場は約10億人の潜在的なインターネット利用者を抱え、2008年の経済成長率は7%。エンタープライズ事業においては第3四半期に対前年比20%増と非常に好調」とデル氏はアジア市場に期待を寄せている。同社は日本で過去15年間に30億ドルのビジネス規模にまで拡大し、外資系PCメーカーとしては最大の市場シェアを獲得している。また、アジア地域におけるデルの第2四半期の売上は20億ドルを超えており、これは10年前の同社の全体の売上に匹敵している。
「デルは過去23年間、PCをより買いやすく、お求めやすい価格で提供することに注力した。しかし、現在ではたいていの企業にとってPCやユーザーのサポートコストのほうが、新しいパソコンを購入するコストよりはるかに高い。そこで我々は先日、1台のサーバで多数のデスクトップ管理を可能とし、管理コストの削減を実現する『On-Demand Desktop Streaming』を発表した。こういったコスト削減に繋がる製品を顧客に提供し、ITのシンプル化を進める施策を全世界的に進めていく」(デル氏)
