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ネットビジネス新流儀 第3回

ユーザーの思いを大切にすることが、共感を生み、好循環につながる

魔法のiらんど

2008年02月07日 17時53分更新

文● 根岸智幸(ずばぴたテック) 写真●小林 伸

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ユーザーが発信者、購読者、サポーターである


 「魔法のiらんど」では、ホームページでの豊かな自己表現に加え、ブログ、掲示板、プロフィールなど30種類以上の機能を提供している。ユーザーが小説を書く際に使うBOOK機能は2000年3月に追加したが、このころすでに“魔法の図書館”の構想はあったという。この魔法の図書館はサイト内の小説を探して読み、感想を書き込むことができる一種のポータルであり、出版化や映画化に際してのプロモーションの場としても機能している。この構想を実現し、ユーザーの表現活動とクチコミを活性化したことが、続々と人気作品を生み、相次ぐ出版化や「恋空」の大ヒットに繋がった。

 その出版化のきっかけは一本の電話だった。「魔法のiらんど」内で人気の小説「天使がくれたもの」のファンがすでに「DEEP LOVE」を出版していたスターツ出版に涙ながらに出版化を訴えたのだという。同作は運営側でも「世に出したい」と考えていたため、順調に話が進んだ。

恋空の書籍

普通の女子高生とイケメン青年の波瀾万丈の恋を描いた『恋空』は120万部を越える大ヒットとなり、2007年11月には新垣結衣主演で映画が公開されている。

 ただ、ケータイで無料で読める小説を、わざわざ紙で買ってくれるのだろうか? という疑問は実は運営側でも抱いていた。しかし実際に書籍を購入しているのはサイト上で小説を読んでいる若い層が中心で、自分たちが「応援した」小説を「手元においておきたい」という動機で購入している。そのため立派な装丁の割に1000円前後という手頃な価格設定にすることを出版社に求めている。ユーザーの思いを大切にする施策は、信頼関係を強化するとともに、ユーザーを活性化し、クチコミによる広がりも促進する。ユーザーが発信し、宣伝し、購入する。理想的なCGMのサイクルが回り始めて いる。

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