CES 2008の米インテル社ブースや東芝ブースなどでは、最新の小型タブレットPC「UMPC」(Ultra Mobile PC)の展示が行なわれていた。中には、インテルのUMPC向け最新プラットフォーム、コード名「Menlow」(メンロウ)を搭載したモデルもあるなど、小粒ながら興味深い製品・展示が目を引いた。
東芝のUMPCは傾けてスクロール!?
東芝ブースの一角で展示されていたのが、写真のUMPCである。製品展示ではなく参考出品とのことで、これがそのまま製品になるとは限らない。しかしデザイン、ギミックともに、非常に興味深いマシンだ。
正方形に近い筐体に、5インチ強のタッチパネル式ワイド液晶ディスプレーを搭載。内部はMenlowプラットフォームのCPUとチップセットを搭載しているという。
キーボードは持たず、ディスプレー上にランチャーや、アプリケーションに合わせたボタン、ソフトウェアキーボードを呼び出す機能を持つ。例えばディスプレーの左端に触れるとランチャー機能のパネルが、右端ではアプリケーション操作用のボタンパネルが表示される。ソフトウェアキーボードは英字キーが左右に分割された形で表示される。ちなみにOSはWindows Vistaだった。
また、内部に傾きを検知するセンサーを備えているようだ。これにより、表面にあるボタンを押しながら筐体を上下や左右に傾けることで、傾けた方向にウィンドウがスクロールするといった操作が可能となっている。ただし、スクロールさせるために傾けると、当然画面も傾いて見にくくなるわけで、面白くはあるが実用性という面では疑問に思える。
「傾けてスクロール」といった風変わりな機能を備えたのも、このマシンをCESで公開することで来場者からのフィードバックを得て、実際に開発する製品へ反映させたいという意図があるようだ。どのような製品が登場するのか、今から楽しみである。
インテルブースにはUMPCが勢揃い
UMPC向けのプラットフォームやCPUを提供している米インテルのブースでは、「Mobile Internet Device」というコーナーに各社のUMPCや試作機を並べて展示している。UMPCコーナーは常に多くの来場者で混雑しており、UMPCを手にとって操作したり、熱心に説明員と会話する様子が見受けられた。
日本では、富士通(株)の「FMV BIBLO LOOX U」シリーズ以外は目にする機会がほとんどなかったこともあり、展示されているのは海外メーカーの製品がほとんどだ。採用されているプラットフォームも、既存の「インテル ウルトラ・モバイル・プラットフォーム 2007」(コード名:McCaslin、関連記事)を使ったものもあれば、次世代のMenlowを使ったものもあるという状況だ。
また、韓国LG電子社のブースにもMenlowプラットフォームのUMPCが展示されていた。4.8インチワイド液晶ディスプレーを備えて、重量は590g。1GBのメインメモリーと40GBの1.5インチHDDを内蔵する。無線LANやBluetoothに加えて、HSDPAの通信機能も備える。
日本ではまだまだ知名度の低いUMPCだが、新しいMenlowプラットフォームの登場により、国内でもUMPCも増加していくことだろう。携帯電話の通信機能を組み込んだUMPCの登場も期待したいところだ。
