このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

石井裕の“デジタルの感触” 第23回

石井裕の“デジタルの感触”

「プロフェッショナル 仕事の流儀」出演を振り返る

2007年12月22日 20時37分更新

文● 石井裕(MITメディア・ラボ教授)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「プロフェッショナル 仕事の流儀」への出演


 ご覧になった方も多いかもしれないが、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組で取り上げていただく機会に恵まれた。'06年10月30日、米国から東京に着いた日に、NHKの本間一成ディレクターからコンタクトがあり、さっそく新宿で面会。話はトントン拍子に進み、即番組の制作が決定した。

NHK Professional

@NHK Broadcasting studio, Shibuya-ku, Tokyo

 11月末から12月20日まで、本間ディレクターに率いられた4名の撮影クルーが、MITのキャンパスで私の研究生活に密着して取材を行った。撮影クルーは研究生活のシーンを丹念に忍耐強く記録していった。記録した映像の長さは数十時間ぶんに及ぶだろう。

 '07年に入って1月18日に、渋谷のNHKスタジオでキャスターである脳科学者の茂木健一郎さん、アナウンサーの住吉美紀さんと収録を行った。たくさんのスタッフがきびきびと動くきらびやかなスタジオは、普段私が目にしているアカデミックな世界とは、正直言ってまるで別世界。ハイビジョン映像を撮るために照明がやたらとまぶしかったこと、そして、茂木さんや住吉さんの、面白い話を引き出す絶妙な会話術が印象的だった。

 午後3時にスタートしたスタジオ収録が終了したのは夜の10時。収録中の対話はとても緊張感に富み、茂木さんや住吉さんとの会話のスピードもテンションも高く、終わったときには皆へとへと。しかし、きわめて知的満足感の高い濃密な時間を過ごせたと思う。我々ダンジブル・メディア・グループとスポンサーのNTTコムウェア(株)で共同開発した商品「センステーブル」をスタジオに持ち込み、その場でタンジブル・ユーザー・インターフェース(TUI)も実演した。

 そのあと、打ち上げのビールがのどにしみた。茂木さんはビールを飲み、馬刺しを少しつまんだあと、それまでの疲れがどっと表れたのか気持ちよさそうに居眠りを始めた。

 1月21日に米国に戻ったが、1回目の放送は2月8日。初めてのコンタクトから米国ロケ、スタジオ収録、そして放送まで3カ月余という、かなりのスピードだった。


(次ページに続く)

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII.jp RSS2.0 配信中