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ロンドンの科学博物館で見た過去と未来

2007年12月10日 03時51分更新

文● 石井裕(MITメディア・ラボ教授)

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あこがれのロンドン科学博物館


 1月に入ってすぐ、デザインの国際会議「The International Conference on Design Principles and Practices(デザインの理論と実践についての国際会議)」で2日目の基調講演を任されたため、ロンドンに飛んだ。場所はロンドン大学のインペリアル・カレッジ※1。サウス・ケンジントン駅近くにキャンパスを構え、近隣に著名な美術館や博物館を持つこの大学は、誠にうらやましい知的環境にある。

※1 インペリアル・カレッジ(Imperial College of Science, Technology and Medicine)は、ロンドン大学を構成するひとつのカレッジ。科学と技術に特化しており、2007年7月にロンドン大学から独立した。

 このエリアには、豊富な芸術やデザイン作品、工芸品などのコレクションで有名な、かのビクトリア&アルバート美術館(V&A)がある。以前ここで開催された「Touch Me Exhibition※2」に招かれ、MITの私のチームは「PingPongPlus」を出展した。

※2 「Touch Me Exhibition」は、英ロンドンのビクトリア&アルバート美術館で'05年6月16日から8月29日まで開催された特別展。人間の感覚の中で触覚の研究は遅れがちであった。しかし、触覚、つまり触ることは安心や幸せ、時には不快な感情につながるようにさまざまなインタラクションをもたらす。この特別展は「触ること」をテーマにして構成され、話題を集めた。詳細は同美術館のウェブサイトで確認できる: http://www.vam.ac.uk/vastatic/microsites/1376_touch_me/

Science Museum
Exhibit at Science Museum in London

 長い時間をかけて人類が生み出した美術工芸品のびっしりと詰まったこの巨大な美術館の片隅で、コンテンポラリー・デザインとインタラクションをテーマとした前記展示会が開催されたことは、それ自体が極めて画期的なことだった。

 さて、デザイン会議の会場であるインペリアル・カレッジは、このビクトリア&アルバート美術館の斜め向かい。それだけでもうらやましい環境だが、キャンパスの隣には私があこがれ続けていたロンドン科学博物館※3が控えている。せっかくの機会だ、今回は3〜4時間かけて科学博物館を見て回ることにした。

※3 ロンドンの科学博物館(Science Museum)は、現代社会の形成に貢献した技術と産業や社会との関わりをテーマに1万点を超える展示物を陳列しており、科学博物館としては世界最大規模を誇る。ジェームズ・ワットの蒸気機関やチャールズ・バベッジの階差機関も常設展示物に含まれている。


(次ページに続く)

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