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石井裕の“デジタルの感触” 第20回

石井裕の“デジタルの感触”

アトムのスピード、ビットのスピード

2007年12月03日 01時32分更新

文● 石井裕(MITメディア・ラボ教授)

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スマートフォンが駆動するビットのスピード


 前回はこう書いた。

「常時オンのコンピューターネットワークを通って流れ込む電子メールは、私の創造的思考をほぼ完全に止めてしまう。ゲームオーバー直前の『テトリス』のようにただ到着するメールに反応するだけだ。あっという間に1日が終わり、夜が明けてしまう」

 しかし、今回はこう訂正したい。

「常時オンのスマートフォンを通って流れ込む電子メールは、私の疲れた心と体をビットのスピードで駆り立ててくれる。飛行機が遅れようと、つまらない会議に出席していようと、スマートフォンがあればむなしい時間の長さを限りなくゼロに近づけられる」

(MacPeople 2007年2月号より転載)


筆者紹介─石井裕


著者近影

米マサチューセッツ工科大学メディア・ラボ教授。人とデジタル情報、物理環境のシームレスなインターフェースを探求する「Tangible Media Group」を設立・指導するとともに、学内最大のコンソーシアム「Things That Think」の共同ディレクターを務める。'01年には日本人として初めてメディア・ラボの「テニュア」を取得。'06年「CHI Academy」選出。「人生の9割が詰まった」というPowerBook G4を片手に、世界中をエネルギッシュに飛び回る。



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