昨日、ついに発売となったAMDの新型CPU「Phenom」シリーズ。明けて23日の今日、AMD主催のイベント「“ネイティブ”だけじゃない ~進化し続けるプラットフォーム”Spider”~」がCAFFE SOLARE リナックスカフェ秋葉原店で開催された。
「Phenom 9600 Black Edition」の年内発売を予告
同イベントではマザーボードメーカー各社による「AMD 7シリーズチップセット」搭載製品の紹介やAMDによる「ATI Radeon HD 3800シリーズ」の紹介、お馴染みマイクロソフトコンシューマWindows製品部 シニアプロダクトマネージャ森氏によるWindows Vista対応ハードウェア、ソフトウェアのアップデート状況などの解説が行なわれた。が、やはり一番の盛り上がりを見せたのは“兄貴”ことAMDの土居憲太郎氏による「AMD Phenomプロセッサ」および「AMD Spiderプラットフォーム」の紹介とデモンストレーションだ。内容的には、メディア向けに先行して行なわれた発表会のエンドユーザー版といったものだったが、「Phenom 9600 Black Edition」の年内発売を予告するなどのサプライズもあった。
「Athlon X2 6000+」に負けない「Phenom 9500」
また「AMDとATIが一緒になったからこそ実現した」というプラットフォーム「Spider」を紹介。「Phenomシリーズ」+「AMD 7シリーズチップセット」+「Radeon HD 3800シリーズ」で構成される新しいトータルプラットフォームを強くアピールしていた。
そして「Athlon X2 6000+」と「Phenom 9500」を使った比較デモを実演。「Windowsムービーメーカー」を使用したwmv変換と、「CINEBENCH 9.5」を使用したレンダリングスピード比較デモを行ない、日常の場面でも有効な「ネイティブコア」を強調。Athlon X2シリーズトップエンドの3GHzを誇る「6000+」に比べ「Phenom 9500」は2.2GHzとクロックでは劣るが、まったく負けないパフォーマンスが出るとしていた。
8歳の子供でもOCできる!? 「AMD OverDrive」
そして、最後に紹介されたのが自作ユーザーも注目のオーバークロックチューニングツール「AMD OverDrive」。Radeonシリーズでお馴染みの「ATI OverDrive」のマザー版ともいえるこのソフトは、Windows XP/Vista上からCPUやメモリーなどの監視やオーバークロックが可能というもの。オーバークロック時には多彩な項目設定が特徴で、CPUやHyperTransport、各種バスのクロックなどに加えて、メモリーの電圧やクロック、タイミングなどを細かく調整できる。土居氏による余談として「このソフトはヨーロッパのオーバークロックキングをわざわざAMDに入社させて作ったもので、YouTubeでは8歳の子供がオーバークロックしているところが見れます」と語っていた。
「ATI OverDrive」は「AMD 7シリーズチップセット」を搭載したマザーボードに添付され、CPUは「Athlon 64 X2 5000+ Black Edition」などでも使用可能とのこと。ただ、これらはユーザーの自己責任となる行為。「そうそうCPUは壊れることはないと思う」(AMD)としながらも「もしAthlon 64 X2が壊れたらPhenomを買ってください(笑)」と会場内の笑いを誘っていた。