画素数を高め、光学手ぶれ補正も付いたIXY最上位モデル
【レビュー】輝きチタンボディーのキヤノン「IXY DIGITAL 2000 IS」
2007年10月03日 10時00分更新
ついにキヤノン(株)の「IXY DIGITALシリーズ」最上位モデルにも“IS”(Image Stabilizer:光学式手ぶれ補正)付きモデルが登場した。「IXY DIGITAL 2000 IS」は従来までの最上位モデル「同 1000」(1000万画素)の後継・上位モデルあたるIXYシリーズの新たなフラッグシップモデルだ。撮像素子は1/1.7インチ1210万画素へ高画素化、レンズも従来の光学3倍ズームから36~133mm相当の3.7倍ズームで、かつ光学式手ぶれ補正付きに変更された。光学式手ぶれ補正の追加やズーム倍率が増えているにもかかわらず、本体サイズは横幅で約4.7mm増、厚みは逆に6mm減になるなど、サイズ的にはほとんど変わりなく、レンズや基板の小型化技術がさらに進化していることをうかがわせる。
“チタンボディー”というのは従来機1000でも同様だが、1000ではチタン特有の“やや渋いグレー”のため、一見すると高級感に欠けるきらいがあった。2000 ISではチタンの表面処理を工夫して、わずかに金色がかった色あいと、渋めの光沢感を持つ高級感のあるものになった。
形状も微妙に変えており、本体前面の両側面は中央部のくぼみがさらに深くなっているなど、丸みを帯びた女性的フォルムとなった。とはいえ、さすがにチタン部材だけあって剛性感は非常に高く、高級感とともに安心感が得られる手触りとなっている。背面のボタン類周辺には膨らみを持たせており、これにより、モードダイヤルやタッチホイールを回しやすく、かつ指をかけやすいモールドになっている。再生ボタン(電源OFF時には再生モードで電源ONとなる)も不用意に押し込まれないような高さになっているなど、「チタン素材の深絞り」加工と一言では片付けられない、非常に芸の細かい立体形成と言える。
背面の液晶ディスプレーは、最近流行の3インチではなく従来機と同じ2.5インチではあるが、これは最上位機として光学ファインダーを搭載する(IXY DIGITAL 910 ISでは省略された)ためにやむを得ない選択だったのだろう。2.5インチとはいえ、液晶パネルはそのものは最近のIXY DIGITALシリーズと同様に広視野角・高輝度の「クリアライブ液晶」となり、屋外でも見やすい反射防止コーティングと、指紋の付きにくい防汚コーティングによって使い勝手はかなりいい。
操作性自体は1000からさほど変わりはなく、タッチホイールによる独特の操作もそのままだが、新たな機能としてAF枠を小さくするという機能が加わった。メニューから「AFフレーム:小」を選ぶことでより正確なピント合わせができるというもので、同社の「PowerShot G9」(関連記事)などでも新機能として採用されている。AF方式を「中央」にしておかなければ利用できず、AiAFの枠移動や「アクティブフレームコントロール」(AF枠の任意位置への移動)が使えないのは残念なところだ。
このほか、最近のIXYシリーズと同様に顔認識機能にAF、AEのほかFE(フラッシュ調光)と再生時赤目補正の機能が付き、再生時のフォーカスチェッカー(AF点の拡大表示を並べて表示する)は顔認識と連動して顔のサイズで表示されるようになるなど、細かな機能が追加されている。
