動きに応じてISO感度を変更 ぶれ軽減とノイズ低減を自動調整
キヤノン、動き&改良型顔検出技術を搭載した「IXY DIGITAL」「PowerShot」を発表
2008年01月24日 13時00分更新
キヤノン(株)とキヤノンマーケティングジャパン(株)は24日、コンパクトデジタルカメラの新製品として、同社のスリムコンパクトでは初の光学式手ぶれ補正(IS)機能搭載の「IXY DIGITAL 20 IS」、普及型コンパクトで光学式手ぶれ補正を搭載した「PowerShot A590 IS」、カメラ初心者向けに撮影機能をシンプルにした普及モデル「PowerShot A580」「PowerShot A470」、ならびに2007年8月に発表された「IXY DIGITAL 910 IS」(関連記事1、関連記事2)のシルバーモデルを発表した。いずれも価格はオープンプライスで、予想実売価格と発売時期は以下の通り。
- IXY DIGITAL 20 IS
- 5色のカラーバリエーションをそろえる光学式手ぶれ補正対応のコンパクトデジカメ
予想実売価格:3万5000円前後 - IXY DIGITAL 910 IS
- 2トーンカラーだった従来機に対して、レンズ周りをシルバーに変更したカラバリモデル
予想実売価格:現在のIXY DIGITAL 910 ISと同等 - PowerShot A590 IS
- カメラ入門者向けに「らくらくモード」を新搭載した普及価格のコンパクトデジカメ
2万5000円前後 - PowerShot A580
- A590 ISから光学式手ぶれ補正を省略した低価格機 らくらくモードを搭載
2万2000円前後 - PowerShot A470
- 縦位置レリーズを搭載して、縦持ちでも撮影できる入門者向け低価格コンパクト機
1万8000円前後
今回発表された新機種(IXY DIGITAL 910 ISカラバリモデルを除く)の特徴として以下の点が挙げられる。
- 手ぶれ補正と高画質を両立する“モーションキャッチテクノロジー”を新たに搭載
- 顔認識機能“フェイスキャッチテクノロジー”を改良
- スリムタイプで初の光学手ぶれ補正機構を搭載(IXY DIGITAL 20 IS)
- 高コントラストな「クリアライブ液晶II」を搭載(IXY DIGITA 20 IS)
- 初心者が迷わない“らくらくモード”を搭載(PowerShot A590 IS/A580)
モーションキャッチテクノロジーは、カメラ本体の動き(手ぶれ)に加えて、被写体の動きや周囲の明るさを検知し、光学式手ぶれ補正(IS)とISO感度向上、ノイズリダクションを組み合わせて、ぶれ軽減(手ぶれ補正)と高画質の両立を図るという機能。具体的には、被写体に動きがあったり周囲が暗い場合にはISO感度を向上してぶれ軽減を優先する。一方、被写体に動きが少ない場合にはISO感度を低く抑えてノイズ軽減を図り、高画質化を図るというもの。IS機能搭載モデルでは、さらにレンズシフト式の光学式手ぶれ補正が機能するというわけだ。これは、特にスポーツシーンや動きが大きな被写体、乗り物からの撮影で奇麗に撮れるようになるという。
改良型のフェイスキャッチテクノロジーは、新たにピント位置の拡大表示機能を搭載。AF枠を2倍程度に拡大表示して、被写体の表情を確認しながら撮れるようになった。このほか“顔優先AF”を改良し、“顔優先WB”(ホワイトバランス)を新たに搭載したことで、暗いシーンでも顔を見つけやすくなり、明るい背景や色の付いた光源(ムードのある照明を使った店内)でも顔の肌色が奇麗に撮れるとしている。さらにIXY DIGITAL 20 ISでは、顔優先AFで枠に捕らえた顔の情報を記録しており、顔を中心に自動トリミングして表示する機能も備えている。撮影後に撮った相手と写真を楽しむ際に便利な機能だ。
IXY DIGITAL 20 ISが採用したクリアライブ液晶IIは、「PowerShot G9」(2007年8月発表)で搭載された高コントラストな液晶パネルで、IXY DIGITALシリーズでは初搭載となる。具体的なスペックは非公開ながら、IXY DIGITAL 10/90と比較して、コントラスト比で正面から3倍、斜め方向では10倍に向上しており、カメラを高く掲げて撮る場合でも色味が反転しないためシャッターチャンスを逃しにくい。
PowerShot A590 IS/A580が搭載するらくらくモードは、AUTOモードよりもさらにメニューをシンプルにしたデジカメ撮影初心者向けの機能だ。モードダイヤルを赤いハートマークに合わせると、使用できるボタンが「シャッター」「ズームレバー」「ストロボの有無」という3つだけになり、誤ってメニューボタンなどを押して複雑な用語が表示されるといった心配がない。さらに液晶画面に表示される情報もシンプル化されており、「撮影モード」「ストロボ設定」「撮影可能枚数」の3つのみで、シャッター速度や絞り、ISO感度などの情報は一切表示されない。このほか、花や昆虫などに近づいて撮影する場合には、被写体との距離に応じて自動的にマクロモードへ移行するため、マクロボタンを押す必要がないのも、初心者に易しい機能だ。
このほか、各機種のスペックは以下の通りだ。IXY DIGITAL 910 ISはカラーリング以外の変更点がないため割愛するが、スペックなどの詳細は関連記事1などを参照されたい。
IXY DIGITAL 20 ISの主なスペック | |
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製品名 | IXY DIGITAL 20 IS |
撮像素子 | 1/2.5インチ有効800万(総830万)画素CCD |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=6.2~18.6mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~114mm)、F2.8~4.9 |
静止画撮影 | 最大3264×2448ドット |
ISO感度 | オート、高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600 |
動画撮影 | 640×480ドット、30fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT、約23万画素 |
記録メディア | SDカード(SDHC対応)/MMC(MMCplus、HC MMCplus対応) |
インターフェース | USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池(NB-4L) |
撮影可能枚数 | 約240枚 |
本体サイズ | 86.8(W)×22.0(D)×54.8(H)mm |
重さ | 約125g(本体のみ) |
PowerShot A590 IS/A580の主なスペック | ||
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製品名 | PowerShot A590 IS | PowerShot A580 |
撮像素子 | 1/2.5インチ有効800万(総830万)画素CCD | |
レンズ | 光学4倍ズーム、f=5.8~23.2mm(35mmフィルムカメラ換算時:35~140mm)、F2.6~5.5 | |
静止画撮影 | 最大3264×2448ドット | |
ISO感度 | オート、高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600 | |
動画撮影 | 640×480ドット、20fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 | |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT、約11万5000画素 | |
記録メディア | SDカード(SDHC対応)/MMC(MMCplus、HC MMCplus対応) | |
インターフェース | USB 2.0(Hi-Speed対応)、AV出力 | |
電源 | 単3形電池×2本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池対応) | |
撮影可能枚数 | 約200枚(アルカリ乾電池)、約450枚(ニッケル水素充電池) | 約220枚(アルカリ乾電池)、約500枚(ニッケル水素充電池) |
本体サイズ | 94.3(W)×40.8(D)×64.7(H)mm | |
重さ | 約175g(本体のみ) |
PowerShot A470の主なスペック | |
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製品名 | PowerShot A470 |
撮像素子 | 1/2.5インチ有効710万(総740万)画素CCD |
レンズ | 光学3.4倍ズーム、f=6.3~21.6mm(35mmフィルムカメラ換算時:38~132mm)、F3.0~5.8 |
静止画撮影 | 最大3072×2304ドット |
ISO感度 | オート、高感度オート、ISO 80/100/200/400/800/1600 |
動画撮影 | 640×480ドット、20fps、MotionJPEG圧縮AVI形式 |
液晶ディスプレー | 2.5インチTFT、約11万5000画素 |
記録メディア | SDカード(SDHC対応)/MMC(MMCplus、HC MMCplus対応) |
インターフェース | USB 2.0、AV出力 |
電源 | 単3形電池×2本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池対応) |
撮影可能枚数 | 約150枚(アルカリ乾電池)、約400枚(ニッケル水素充電池) |
本体サイズ | 104.8(W)×40.7(D)×55.1(H)mm |
重さ | 約165g(本体のみ) |
