コンピュータを使用中、誤った操作などをするとさまざまな「警告メッセージ」が表示される。この種のメッセージを見ると、「どれくらい深刻なミスをしてしまったのだろう?」と不安を抱いてしまうものだ。そこで、この種のメッセージの正確な意味を把握して、ミスが発生したときに冷静に対処できる心構えを身につけよう。
warning、error、alert……。警告メッセージに使われるIT英単語は、いくつもある。そこで、それぞれの意味を「dictionary.com」で調べてみた。
info(informationの略語)
knowledge communicated or received concerning a particular fact or circumstance(特定の事実や状況に関して伝えられたり受け取られたりする知識)
infoすなわちinformationは、主にコンピューターがユーザーに報告する「情報」を意味している。つまり、infoそのものは警告を発しているのではなく、現在コンピュータがどのような状態にあるのかを伝えているに過ぎない。だから、正常な処理が行なわれているときでも表示される。何らかの問題が発生している場合は、infoが伝える情報から原因を推理することも可能だ。
notice
observation, perception, attention, or heed(観察、知覚、配慮、用心)
noticeは、コンピュータがユーザーに対して「こんなことがありましたよ」と伝える「通知」で、ミスというほどではないが珍しい出来事が発生したときなどに表示される。即座に対処する必要はないが、時間を見て原因を探っておくとコンピュータへの理解が深まるはずだ。
warning
Advice to beware.(注意をうながす忠告)
warningは文字どおり「警告」を表している。一見、重大な問題が発生したようにイメージしがちだが、「大勢に影響はないが少々おかしい」ことを知らせる意味合いで使われることが多い。つまり、warningが表示された時点では問題は発生しておらず、この警告メッセージを無視して作業を続けた場合に問題が発生する可能性があると考えればよい。
alert
To advise or warn.(アドバイスすること、または警告すること)
alertは「警戒警報」というべき言葉で、「ユーザーにぜひ知ってもらいたい」ことを伝えている。たとえば、コンピュータの温度が上昇しているときや、入力フォームの必須事項に書き漏らしがあったときなどに使われる。alertを含む警告メッセージが表示された場合、そのまま放置しておくと今後の作業に支障をきたすかもしれない状況にあるといえよう。
error
A mistake.(間違い)
errorは「間違い」があったことを指摘する言葉で、単純なキー操作ミスからハードウェアが正しく作動しない事態まで、幅広い状況に使われる。いずれの場合であってもコンピュータが現状を否定していることに変わりはなく、問題やアプローチ方法を修正しない限り、次の作業に移行できない状況にある。
critical
Being in or verging on a state of crisis or emergency.(今危機や緊急事態にある、または、なりつつある)
criticalは「深刻な」という意味で、ハードウェア装置の障害など、大きな問題を引き起こす事態が発生したときに使われる。被害が拡大する前に、迅速に原因を探して修正しよう。
panic
A sudden, overpowering terror, often affecting many people at once.(多くの人にすぐに影響をおよぼす、突然で強烈な恐怖)
日本語としても定着しているpanicは、原因が何だか分からない問題が発生したり、すでにどうしようもないほど危機的な状況にあることを表している。たとえば、OSが起動できない場合など、主にソフトウェアに障害が発生したときなどに使用される。そのため、開発者に問い合わせたり、再インストールを試みるなどの対処方法が必要になる。
これまでに挙げた英単語を整理すると、もともとの意味から派生して「深刻さの度合い」を表すようになっていることが分かる。警告メッセージが画面に表示されたときは、そこに含まれている英単語から状況の深刻度や波及範囲を把握しよう。そうすれば、問題の原因や修正方法を推理する方法も、きっと見えてくるはずだ。
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Illustration:Aiko Yamamoto

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