21日、マイクロソフトは次期サーバー「Windows Server 2008」、統合開発環境「Visual Studio 2008」、データベースアプリケーション「SQL Server 2008」各製品の製品概要を発表した。
デジタルワークスタイルを充実させる3製品
21日、マイクロソフトはアプリケーションとサービスの次世代インフラストラクチャとして、サーバー、統合開発環境、データベースアプリケーションの新製品の概要を発表した。
今回発表された次期サーバー「Windows Server 2008」、統合開発環境「Visual Studio 2008」、データベースアプリケーション「SQL Server 2008」各製品について、代表取締役社長 ダレン・ヒューストン氏はその重要性を以下のように語る。
「日本はデジカメやワンセグ付き携帯電話などデジタルライフスタイルは世界の最先端を謳歌しているが、ITを活用することで自分たちの仕事の生産性を上げるというデジタルワークスタイルは欧米に遅れを取っている。世界で最も利用されているWindowsサーバーの次期バージョンであるWindows Server 2008を中心としたこの3つのプロダクトはIT業界のデジタルワークスタイルを推進していくためには非常に重要な存在。これらのプラットフォームが進化することで、ソフトウェアがもっと進歩していく」(ヒューストン氏)。
Windows Server 2008、Visual Studio 2008、SQL Server 2008各々の特徴をまとめると以下のようになる。
仮想化技術を搭載したWindows Server 2008
Windows Server 2008では、OSにサーバー仮想化技術「Windows Server Virtualization」が統合されている。これによって、メモリやCPUなどを仮想化し、同時に複数のOSを1つのコンピュータ上で動作させることが可能となる。なお、Windows Server Virtualizationの提供は、Windows Server 2008の開発完了から180日以内を予定している。
また、ローカルエリアネットワーク (LAN)に接続されるデバイスの各種設定の徹底を強制する機構「ネットワークアクセス保護 (NAP)」が提供されている。これにより、組織で事前定義されたセキュリティ上のポリシーに準拠しないクライアントデバイスからのネットワークアクセスやウイルス/ワームなどを防ぐことができる。
Webアプリケーションを実現するVisual Studio 2008の特徴
Visual Studio 2008 は、Windows VistaやWindows Server 2008、SQL Server 2008などを含む最新プラットフォームを活用し、「ASP.NET AJAX」に対応するなど次世代のWebアプリケーションを実現する統合開発環境。
開発言語の革新やデータアクセス機能の強化によって、開発生産性が向上している。さらに、開発機能だけでなく、アーキテクチャ設計やテスト、データベース開発、プロジェクト管理を含むアプリケーションライフサイクル全体にわたる機能が強化されており、開発ライフサイクルを通じた全体の生産性向上とアプリケーションの品質の向上を実現する。
Visual Studio 2008 日本語版は、2007年末から 2008年第一四半期の完成予定となっている。
BI機能を実装したSQL Server 2008
SQL Server 2008は、Windows Server 2008 上で稼動する基幹業務アプリケーションから、Windows VistaやWindows Mobile上で稼動するデスクトップ・モバイル アプリケーションまで対応するデータプラットフォーム。「堅牢性に定評のあるSQL Server 2005をベースに開発された」(サーバプラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 五十嵐光喜氏)。SQL Server 2008はアプリケーションコードの改変を行うことなく、データの暗号化を行なう「透過的データ暗号化」機能の追加や、データ操作の監査機能などをポリシーに準拠するように強化した「ポリシーベース管理」機能などが搭載されている。また、エクセルなどのアプリケーションとの統合によるビジネスインテリジェンス機能や、大規模データウェアウェアハウスに対応する機能を実装している。
SQL Server 2008は、通常のベータ版と比べ多頻度で公開され、ユーザーの評価をフィードバックするプレビュー版「SQL Server 2008 Community Technology Preview 10月版」を、2007 年 10 月上旬より提供開始する予定。
日本市場で注目を集めるWindows Server 2008
「2007年4月から配布しているWindows Server 2008の『Beta3 日本語版』のコピー配布数が6月末時点で8万6000コピーを超えている。世界全体でも約15万コピーということから日本市場での注目度の高さがうかがえる。また、約150社が191の対応アプリケーションを開発中で、Windows Server 2008早期導入プログラムには15社が参加している。このスピードは『Windows Server 2003』よりも早い」と述べるなど、リリースに向けたWindows Server 2008の取組みに関して五十嵐氏は手応えを感じているようだ。
Visual Studio 2008の「Express Edition Beta2 日本語版」は21日より提供開始しており、SQL Server 2008は専用製品サイトを同じく21日より開始している。
なお、2008年4月15日にザ・プリンス パークタワー東京で開催される「the Microsoft Conference 2008」にてWindows Server 2008、Visual Studio 2008、SQL Server 2008の3製品の日本語版発表イベントをパートナー企業各社を交えて実施する予定。各製品の販売開始日、出荷時期など詳細は未定。