まだOVAというジャンルが今のように一般的でなく、アニメといえばTV放映を見るモノだった頃……今思えば非常に豪華にスタッフによるOVAシリーズが生まれた。それが「メガゾーン23」だ。
「メガゾーン23」は、OVAシリーズとしてパート1からパート3まで発売された。パート1の発売が1985年といまから20年以上も昔の作品。パート1とパート2が直接つながっているストーリーで主人公も同じ。パート3のみ時間の離れた続編となり主人公も交代している。ロボットSFにアイドル歌手という要素を組み込み、メインキャラクターデザインに平野俊弘氏、ヒロイン「時祭イヴ」のデザインに美樹本晴彦氏、メカニックデザインには荒牧伸志氏などのスタッフで作られた。特に美樹本晴彦氏は、その後もシリーズを通してのヒロイン「時祭イヴ」のみゲストデザインとして担当し、作品のイメージを印象づけた。OVAという媒体ならではのコアなファン層に向けた要素が多く、そのことが今なおファンを抱える作品へとつながっている。さらに2007年に入り、パート1の続編となるラジオドラマが放映されたり、新作ゲームの発売が予定されたりと新時代の「メガゾーン23」が始動している。
今回発売になった「ガーランド」は、シリーズを通して主人公が扱ってきたマシン。アトリエ彩より4種類登場したフィギュアは、「メガゾーン23 パート1」に登場した「ガーランド」が2カラーバージョン、「メガゾーン23 パート2」に登場した「プロトガーランド」、そして「メガゾーン23 パート3」に登場した「E=X ガーランド」となっている。同じガーランドの名前をもった機体でも「オリジナルガーランド」や「GR-2 ガーランド」は今回フィギュア化されていない。店頭での販売価格は、それぞれ3000円程度となっている。
ガーランドは、バイク形状の「マニューバクラフト」と人型ロボット形態の「マニューバスレイブ」と2種類の姿に変形できる。これは「メガゾーン23」という作品において、他のメカニックにもあった特徴だ。サイズもパート1の「ガーランド」でマニューバスレイブ形態の場合、全高3.85mとコンパクトなマシンとなっている。また同じガーランドの名前がついていても、機体によってその関連性は異なる。パート1で登場した「ガーランド」とパート2で登場した「プロトガーランド」は、破壊されたガーランドを修復してプロトガーランドとして蘇っており、1台しか存在しない同じ機体と考えてよい。一方で「E=X ガーランド」は時代設定が離れたパート3に登場した機体で、主人公が利用していた量産型だ。
残念ながら、フィギュアには可変機能は備わっていない。しかし、全身が可動するフルアクションフィギュアなので、色々なポーズを取らせることが可能。まさにマニューバスレイブ形態のガーランドで、劇中シーンを再現するのにもってこいの製品となっている。ライフルなども手首ごとの差し替えで、持ち替え可能だ。