モビルスーツ(以下MS)の歴史を考える上で、絶対に忘れてはならないMSは何か?それはジオン公国軍の礎となり、最初から最後まで戦線を支え続けた「MS-06 ZAKU II」、いわゆるザクだ。何よりも戦争におけるMSの価値を連邦に知らしめ「MSといえばザク」という状況で快進撃を進めた立役者だ。ヒゲの中年に「ザクとは違うのだよ、ザクとは」などと言われたりもしたが、その後、ハイザック、ザクIII、などとザクの名やディティールを継承したMSが登場していたし、世界が変わったガンダムSEED Destinyにも進出するなどやはり人気は高い。と、これくらいザクの偉大さをかみしめたところで、今回バンダイはこのMSの原点であるザクをリニューアル。MGシリーズに新たに「1/100スケール MG MS-06J 量産型ザク Ver.2.0」を加えたのだ。店頭での販売価格は3000円程度だ。
新しいガンプラの歴史の誕生かもしれないバージョンアップ。その第一歩を踏み出すのにザクはふさわしいだろう。モビルスーツの開発系譜を意識して新しく作られた「ザク Ver.2.0」は、関節の柔軟度が大幅に向上。ねじれを再現できるようになり、立て膝や、かかとを上げるようなポーズもとれる。カメラアイは首の向きにあわせた視線移動ギミックを搭載。さらに様々なオプション装備やコクピット開閉ギミックも備えている。
特に可動範囲の拡大は目玉要素。発売前からショップで展示されていたサンプルは、日々様々なポーズを取っており、その自由なポーズは圧巻。かかと落としをするかのように片足を上げていたり、段差に足をかけてマシンガンを構えていたりと、アニメではあり得ないようなポーズまで取れる。この柔軟なポーズは、いまニコニコ動画にアップされている「ガンプラ劇場」のような動画クリエイターにも、新たな製作意欲を湧かせてくれるのではないだろうか。
そしてもう一つ、1年戦争に登場したMS「アッガイ」が“HG ユニバーサルセンチェリー”シリーズに加わった。コアなファンが多い名脇役MSだ。モノアイの移動が行なえ、腕、爪の伸縮はパーツ交換で再現可能。さらにOVA「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」に登場したバージョンを再現する腕用カバーパーツも備えている。1/144スケールだが、愛らしさのある機体となっている。アソビットキャラシティでの展示でもアッガイの魅力をアピールするためか、“MG”や“HCM Pro”シリーズなどのアッガイと並べたアッガイコーナーを作り上げていた。1/100である“MG”が目立ってしまっていたが、中央に今回登場した“HG ユニバーサルセンチェリー”のアッガイが鎮座し主役となっていた。店頭での販売価格は1200円程度だ。
それ以外にも“GUNDAM FIX FIGURATION”シリーズに「#0034 GP03S ステイメン&ウェポンシステム」、“ZEONOGRAPHY”シリーズに「#3013 キュベレイMk-II」が登場し、それぞれ店頭では8000円前後と4700円前後となっていた。また「機動戦士ガンダムSEED」から、“HCM Pro”シリーズに「フリーダムガンダム」が追加。今までストライクフリーダムはラインナップにあったのだが、意外なことにフリーダムが存在していなかったのだ。こちらは店頭での価格が2500円程度となっている。