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ASCII Power Review 第234回

ストレージ速度をバッテリーの持ちも凄いです

最新の「2つ折りPC」は超便利すぎだった=「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

2024年01月16日 10時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 日本HPは17型のフォルダブルPC「HP Spectre Foldable 17」を、2024年1月中旬より販売開始する。

 本製品は折りたたみ可能な17インチOLEDディスプレーを搭載した「3 in 1 PC」だ。画面の折りたたみ機構と、ディスプレー上にも置ける専用キーボードにより、2 in 1 PC以上にフレキシブルに活用可能なPCに仕上げられている。

 CPUは第12世代のUプロセッサーであるにも関わらず、79万8600円と非常に高価なモバイルPCだが、一度触ってしまうと思わず気を失ってポチってしまいそうなほど魅力的なマシンだ。日本HPより試用機を借用できたので、フォルダブルPCならではの使い勝手にスポットを当ててレビューをお届けしよう。

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

「HP Spectre Foldable 17」79万8600円

大型17インチの折り畳みOLEDを搭載
CPUは第12世代のUプロセッサー

 「HP Spectre Foldable 17」に用意されているのは1モデル。OSは「Windows 11 Pro」、CPUは第12世代(Alder Lake)の「Core i7-1250U」で10コア[2P+8E]、12スレッド、最大4.70GHz、9Wを採用。メインメモリーは16GB(LPDDR5-5200)、ストレージは1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。

 折り畳み可能なフォルダブルディスプレーには、17インチ2.5KのOLEDパネルで、2560×1920ドット、4対3比率、400ニト、99.5%DCI-P3、タッチ対応、ペン対応、TÜV Rheinland Eyesafe認定を採用。

 サウンド面においては、Bang & Olufsenクアッドスピーカー、デュアルマイクを内蔵。またプライバシーシャッター付きの約500万画素ウェブカメラ、Windows Hello対応IRカメラを搭載している。

 インターフェースはThunderbolt 4(USB4、40Gbps、Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能)×2を装備。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポートしている。

 本体サイズは約277×191×21.4mm(折りたたみ時)/約277×376×8.5mm(展開時)、重量は約1.35kg(本体のみ)/約1.62kg(キーボードを含む)。バッテリーは94290mWhのリチウムイオンを内蔵しており、バッテリー駆動時間はノートブックモードで最大12時間30分、デスクトップモードで最大11時間30分とうたわれている。

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

ディスプレーは17インチ2.5KのOLEDパネルを採用。向かって左のベゼル部分に約500万画素ウェブカメラ、Windows Hello対応IRカメラを内蔵

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

カラーはスレートブルー。折り畳み時のサイズは約277×191×21.4mm

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

本体底面にはゴム足を用意。また横置きで自立させるためのキックスタンドも装備されている

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

デタッチャブルBluetoothキーボードは英語配列

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

右側面にはボリュームボタン、Thunderbolt 4を装備。左側面には横置きするためのゴム足が配置されている

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

上面にはThunderbolt 4、プライバシーカメラスイッチ、電源ボタンが配置

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

デタッチャブルBluetoothキーボードを取り外すと、フォルダブル構造のためのすき間が存在する

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

パッケージには、本体、デタッチャブルBluetoothキーボード、ACアダプター、電源ケーブル、HP USB Type-Cスマートハブ、キーボードチャージャーケーブル、HP MPPアクティブペン、説明書類が同梱

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

ACアダプターのケーブルの長さは実測180cm、電源ケーブルの長さは実測100cm

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

ACアダプターの仕様は入力100-240V~1.6A、出力5V 3A、9V 3A、12V 5A、15V 5A、20V 5A、容量110W

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

HP USB Type-Cスマートハブは、USB Type-C(給電用)、HDMI、USB Type-A×2を増設できる

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

HP MPPアクティブペンには替え芯×2、替え芯ツールが付属

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

キーボードチャージャーケーブルには、デタッチャブルBluetoothキーボードと接続するための金属接点を用意

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

デタッチャブルBluetoothキーボードは本体から充電しながら利用可能

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

本体の実測重量は1326g

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

デタッチャブルBluetoothキーボードの実測重量は264g

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測471g。容量110Wだけにかなり重めだ

17インチ4:3の大画面を
普通のカバンに入れて持ち歩ける感動

 「HP Spectre Foldable 17」で気に入ったのが広大なデスクトップ画面だ。

 本製品は、ディスプレーを広げてキーボードを分離した「デスクトップPCモード」、片面にキーボードを乗せた「通常ノートブックモード」、キーボードを半分ずらした「1.5画面モード」、キーボードを完全にずらした「2画面モード」、キーボードを使用しない「タブレットPCモード」とさまざまなスタイルで利用できる。

 「17インチ」は現行ノートPCのほぼ最大サイズであり、デスクトップを広々と活用可能だ。それでいて折りたためば、キーボード込みで約277×191×21.4mm、約1.62kgに収まるのだから、画面サイズを考えれば圧倒的な携帯性を実現している。

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

デスクトップPCモード(17インチ)

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

通常ノートブックモード(12.3インチ)

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

1.5画面モード(14インチ)

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

上からデスクトップPCモード(17インチ)、通常ノートブックモード(12.3インチ)、1.5画面モード(14インチ)、2画面モード(17インチ)。スペースに応じて柔軟に画面サイズを選べ、折り畳めばコンパクトに持ち運べるのが、「HP Spectre Foldable 17」のアドバンテージだ

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

17インチの画面を広々と活用できるタブレットPCモードは、お絵描き端末として非常に快適

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

背面のキックスタンドは角度調整が可能。ただし縦置きには対応していない

 デタッチャブルBluetoothキーボードのキーピッチは実測18.8mm前後、キーストロークは実測1.1mm前後。キーストロークはノートPCと比べると浅めだが、しっかりとしたクリック感を備えているので打鍵感は良好だ。

 キーボード面の剛性も高いので、タイピングしていてたわみは感じない。英語配列に問題がなければ、フルスピードで入力できるキーボードだ。

 1点残念なのが充電にキーボードチャージャーケーブルが必須なこと。「通常ノートブックモード」や、ディスプレーにはさんでいるときにワイヤレス充電してくれる仕様であれば、充電を意識することなく利用できてもっと便利だと思う。

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

キーピッチは実測18.8mm前後

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

キーストロークは実測1.1mm前後

 17インチ2.5KのOLEDパネルは、色域が99.5%DCI-P3と謳われている。実際にカラーキャリブレーション機器で計測したところ、sRGBカバー率100.0%、sRGB比143.7%、AdobeRGBカバー率89.1%、AdobeRGB比106.5%、DCI-P3カバー率99.4%、DCI-P3比105.9%という値が出た。スペックどおりの色域だ。

 実際に画像を表示したり、ゲームをプレイしていても、画面の大きさも相まって没入感を強く感じられる。解像度も2560×1920ドットと申しぶんない。フォルダブルディスプレー特有の折り目も、画面を表示していればまったく気にならない。画面サイズだけでなく、クオリティーにおいても申しぶんないディスプレーだ。

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

17インチ2.5K OLEDパネルは、解像度が2560×1920ドット、輝度が400ニト、色域が99.5%DCI-P3。立体的に感じられるほどの臨場感を備えている

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は143%、AdobeRGBカバー率は89%、AdobeRGB比は106%、DCI-P3カバー率は99%、DCI-P3比は105%

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

消灯状態であれば折り目を視認できるが、画面を表示していればまったく気にならない

 本製品にはプライバシーシャッター付きの約500万画素ウェブカメラ、Windows Hello対応IRカメラが内蔵されている。

 Windows 11の「カメラ」アプリで写真を撮影してみたところ、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できた。なお、「カメラ」アプリでHDRをオンオフしても、ほとんど画質に違いはない。「HP Spectre Foldable 17」は素の状態で、高いカメラ画質を備えているわけだ。

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

上からカメラオフ、カメラオン、カメラオン(プライバシーシャッターオン)

「HP Spectre Foldable 17」実機レビュー

Windows 11の「カメラ」アプリで、HDRオフで撮影。HDRを有効にしてもほとんど画質は変わらなかった

12世代コアのUシリーズだがストレージは最高速クラス
バッテリー駆動時間は12時間超え!

 最後にパフォーマンスを見てみよう。「HP Spectre Foldable 17」は第12世代(Alder Lake)の「Core i7-1250U」(10コア[2P+8E]、12スレッド、最大4.70GHz、9W)を搭載している。

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