ロシアが、ウクライナに侵攻した。
BBCの報道によれば、日本時間26日朝の時点で、ウクライナの首都キエフで、ロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いている。
こうした中で、日本の経済産業省は23日、「昨今の情勢を踏まえるとサイバー攻撃事案の潜在的なリスクは高まっている」とする文書を発表した。
日本とウクライナは距離的には離れているが、サイバー空間では物理的な距離はほとんど関係がない。
経済産業省は、日本の企業や団体に対してサイバー攻撃対策の強化を呼びかけている。
ハイブリッド戦を特徴づける動き
ロシアの侵攻が始まる前、ウクライナの政府機関や銀行、大手企業などがサイバー攻撃にさらされているとの報道が相次いだ。
2月23日のBBCの報道によれば、ウクライナの銀行や政府機関の複数のウェブサイトがアクセスできない状態になったという。
銀行や政府機関に対しては、主にDDoS攻撃が仕掛けられたとみられている。
このDDoS攻撃は、分散型サービス拒否攻撃(Distributed Denial of Service attack)と日本語訳されている。攻撃対象のウェブサイトやサーバーに対して複数のコンピューターから過剰なデータを送信するもので、攻撃の手法としては知名度が高いものと言える。
2月の第4週ごろから、ウクライナに対する過剰なデータ送信は増加傾向にあるとの分析もあり、さらなる被害の拡大も想定されている。また、サイバー空間での攻撃の増加は、現実の攻撃に先駆けて行なわれるものともみられている。
サイバー空間での動きは、サイバー攻撃とリアル世界の攻撃を組み合わせる、近年の「ハイブリッド戦」を特徴づける動きであると考えられている。
2014年にロシアがウクライナ南部のクリミア半島を併合した際にも、ウクライナに対する大規模なDDoS攻撃が展開されている。
現実の被害も起きうる
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