ASCII Power Review 第119回
日本でも発売が待ちどおしい頂上モデル
「Galaxy S21 Ultra 5G」実機レビュー = ペン入力が可能で最上位スマホだっ!!
2021年03月26日 13時00分更新
サムスンはAndroidスマートフォンのフラッグシップモデル「Galaxy S21 Ultra 5G」を1月15日に発表した。現時点では日本のキャリアから本製品についての発表はないが、すでに日本向けのGalaxy製品公式サイトが公開されており、近日中に各キャリアから正式発表されることは間違いない。

ついにSシリーズがSペンに対応。ペンを収納できないが、Noteシリーズで培われたペン機能を利用できる。なお今回はGalaxy Note20 Ultra 5Gのペンで試用しているが、「feel by Wacom」EMR のスタイラスペンを利用可能だ
Sシリーズのフラッグシップに
ペン入力が付いて最強化
Galaxy S21 Ultra 5GはOSに「Android 11」、SoCに「Exynos 2100」(5nm 64bit 8コアプロセッサー[2.9GHz+2.8GHz+2.2HGz])または「Snapdragon 888」(5nm 64bit 8コアプロセッサー[2.8GHz+2.4GHz+1.8HGz])を採用。メモリとストレージは12GB/128GB、12GB/256GB、16GB/512GBの3つの組み合わせが用意されている。日本でどのSoCとスペックが発売になるかは未定だ。
ディスプレイは6.8インチQuad HD+(3200×1440ドット)有機ELディスプレイ(輝度515cd/平方m、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比3,000,000:1、HDR10+認定、リフレッシュレート120Hz)を採用。ディスプレイ表面はCorning Gorilla Glass Victusで保護され、ディスプレイ下部には生体認証として超音波指紋センサーを内蔵している。
カメラは、前面に、40MPセルフィーカメラ(0.7μm[10MP1.4μm]、80度、F2.2)を内蔵。
背面は、
12MP超広角カメラ(1.4μm、120度、F2.2)
108MP広角カメラ(OIS、0.8μm[12MP2.4μm]、83度、F1.8、1/1.33型)
10MP望遠カメラ(1.22μm、35度、F2.4)
10MP望遠カメラ(1.22μm、10度、F4.9)
の4台を搭載。前面の40MPセルフィーカメラはパンチホール仕様だ。
ネットワークは5G(ミリ波、sub6モデルを用意)に加え、「Wi-Fi 6E」に対応しており、下り2.4Gbps、上り2.4GbpsのWi-Fi通信速度となる。Bluetoothはバージョン5.2で、NFC機能も搭載する。なお日本でWi-Fi 6Eをいつから利用できるようになるかは現時点で確定情報はない。
本体サイズは165.1×75.6×8.9mm、重量は227g(ミリ波モデルは229g)。5000mAhのバッテリーが内蔵されており、IP68の防水防塵性能を備えている。
なお、6.7型の「Galaxy S21+ 5G」、6.2型の「Galaxy S21 5G」も同時に発表されており、例年通りであれば3シリーズとも日本でも発売されるはずだ。両機種のスペックについては製品公式サイトを確認いただきたいが、ユーザー体験に関わる最大の違いはGalaxy S21 Ultra 5GのみSペンに対応しているということ。Sペンを使いたいのであれば選択の余地はない。

ディスプレイはCorning Gorilla Glass Victusでカバー。グローバル版ではPhantom Black、Phantom Silver、Phantom Titanium、Phantom Navy、Phantom Brownが用意されている

6.8インチQuad HD+(3200×1440ドット)有機ELディスプレイは、輝度515cd/平方m、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比3,000,000:1、HDR10+認定、リフレッシュレート120Hz。ディスプレイ上部には40MPセルフィーカメラ(0.7μm[10MP1.4μm]、80度、F2.2)が内蔵
Sペンの機能はGalaxy Note20 Ultra 5Gと同等
さてSペンの機能だが基本的にGalaxy Note20 Ultra 5Gと大きな違いはない。エアコマンドで表示されるツールのラインナップはまったく同じ。特に差別化は図られていないようだ。今回はGalaxy S21 Ultra 5G用のSペンと、それを収納できるカバーケース「Smart Clear View Cover with S Pen」やシリコンケース「Silicone Cover with S Pen」を借用できなかったので細かな挙動は確認できなかったが、Galaxy Note20 Ultra 5GのSペンでボタンを押しながら画面をタップすれば、ロックを解除せずにすぐにメモ書きできる「画面オフメモ」も利用できた。
ただし、「ノート」アプリで「挿入」(クリップを模したアイコン)が「…」(設定)の中に移動されるなど細かな違いは見受けられた。「ノート」アプリはどちらも「バージョン4.2.01.53」だったので、なんらかの理由で意図的にメニュー構成を変えている可能性が高い。

エアコマンドをタップすると、「ノートを作成」、「全てのノートを表示」、「スマート選択」、「キャプチャ手書き」、「ライブメッセージ」、「AR手書き」、「翻訳」、「PENUP」、「ショートカットを追加」のアイコンが並ぶ。
憧れの1憶画素カメラは味付けに変化が
マクロ撮影機能は、よりお手軽&確実に
今回、Galaxy S21 Ultra 5GとGalaxy Note20 Ultra 5Gで写真を撮り比べてみたが、108MP広角カメラの標準モード(12MP)では正直違いはほとんどわからなかった。ただし、108MPモードで撮影すると、Galaxy S21 Ultra 5Gのほうが濃く色が出る傾向が見られた。また、大きく拡大するとディテールにも違いが表われている。画質については実写画像を参照してほしい。
画質以上に大きな違いがひとつある。それは接写の使い勝手だ。Galaxy Note20 Ultra 5Gでマクロ撮影しようとすると、「ここをタップし、焦点を合わせるために少し後ろに下がってください。」というメッセージが出て、以降「2x」というアイコンをタップしなければならない。しかしGalaxy S21 Ultra 5Gでは「フォーカスを最適に調整できるように、フォーカスエンハンサーがONになりました。」というメッセージが出て、自動的にカメラが切り替わってくれる。手軽に、かつ確実にマクロ撮影でフォーカスを合わせられるのはGalaxy S21 Ultra 5Gだ。

上から12MP超広角カメラ(1.4μm、120度、F2.2)、108MP広角カメラ(OIS、0.8μm[12MP2.4μm]、83度、F1.8、1/1.33型)、10MP望遠カメラ(1.22μm、35度、F2.4)、108MP広角カメラの右にあるのは10MP望遠カメラ(1.22μm、10度、F4.9)

Galaxy S21 Ultra 5G で撮影(0.6倍)、イメージ情報4000×3000ドット、焦点距離13mm、シャッタースピード1/1376、F2.2、ISO50、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

Galaxy S21 Ultra 5G で撮影(1倍)、イメージ情報4000×3000ドット、焦点距離24mm、シャッタースピード1/524、F1.8、ISO50、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

Galaxy S21 Ultra 5G で撮影(3倍)、イメージ情報4000×3000ドット、焦点距離72mm、シャッタースピード1/694、F2.4、ISO50、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

Galaxy S21 Ultra 5G で撮影(10倍)、イメージ情報4000×3000ドット、焦点距離240mm、シャッタースピード1/170、F4.9、ISO50、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

Galaxy S21 Ultra 5G で撮影(30倍)、4000×3000ドット、焦点距離240mm、シャッタースピード1/166、F4.9、ISO50、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

Galaxy S21 Ultra 5G で撮影(100倍)、イメージ情報4000×3000ドット、焦点距離240mm、シャッタースピード1/100、F4.9、ISO50、露出モードProgram (auto)、測光方式Center weight

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