新しい年がはじまった。
2020年は、あらゆる人や企業がコロナ対応に終始した年だっただろう。
いまだ収束に向けた道筋は見えてこないが、2021年(令和3年)はどんな年になるのだろうか。
この連載のテーマ「規制とテクノロジー」の視点から、新しい年の気になるスケジュールを整理した。
携帯電話料金の値下げや、デジタル庁発足といった明るい気分になれそうな予定もある。
1月1日、海賊版コンテンツのダウンロードが違法に=改正著作権法が施行され、ネット上にアップロードされたマンガなどのコンテンツを、違法な海賊版だと知りながらダウンロードすると違法になる。個人で楽しむ目的であっても違法とされる。法案審議の過程でかなり議論を呼んだが、施行後に行き過ぎた運用がないかなどについても、引き続き注目すべきだろう。
2021年初頭、トヨタのコネクティッド・シティ着工=トヨタ自動車が静岡県裾野市で計画する、「あらゆるモノやサービスがつながる」実証都市の建設が始まる。2000人規模の都市の建設が想定されている。
1月18日、通常国会招集=行政手続きで必要な押印の99%超が廃止される。関連する法案が通常国会に提出される。民間事業者、行政機関、独立行政法人を対象とする個人情報保護制度が統合される。
1月20日、アメリカのジョー・バイデン次期大統領が就任=GAFAをはじめとした巨大IT企業に対する規制の強化が予測されている。そして、ロシアからとみられるアメリカの政府機関に対する大規模なサイバー攻撃に、新大統領はどう対応するだろうか。
1月?、フェイスブック仮想通貨「ディエム(Diem)」発行開始か=フェイスブックが主導し、発行を準備していた仮想通貨リブラは2020年12月にディエムへと名称を変更した。スイスの当局の承認が得られれば、1月中にもスイスでの発行が始まると報じられている。
3月、携帯料金値下げの新プラン提供開始=NTTドコモが、データ20GB、5分以内の国内通話無料で月額2980円のahamoを提供。ソフトバンクも20GB、2980円の新プランのサービスを開始する。以前から「携帯電話の料金は高すぎる」と主張してきた菅義偉首相の就任後、各社に対する値下げ圧力が強まった。
4月、デジタル教科書の利用制限撤廃=デジタル教科書の使用は、授業時間の2分の1未満に制限されているが、4月からはこの制限が撤廃される。
4月以降、スーパーシティの対象区域決定=先端技術を活用したスーパーシティ構想の対象区域が決まる。静岡県裾野市も候補か。

この連載の記事
- 第116回 香港、英国の混乱を横目に、金融センター化ねらう日本
- 第115回 新しい借金「ソーシャルレンディング」に暗雲 SBI「重大な懸案事項」とは
- 第114回 北朝鮮、盗んだ仮想通貨を資金に 日本もターゲットか
- 第113回 個人投資家がヘッジファンドに痛手負わせた「ゲームストップ騒動」
- 第112回 新型コロナワクチン接種、政府のデジタル化が要に
- 第111回 コインチェック事件で31人検挙 資金洗浄関与の疑い
- 第110回 トランプ氏のTwitter永久停止、議論呼ぶ
- 第109回 トランプ大統領、中国巨大ITに圧力 実効性には疑問符も
- 第107回 中国政府に包囲されるアリババ アリペイの国有化もささやかれる
- この連載の一覧へ