マンボウは一概に弱いとは言えない
“寄生虫をはらうためにジャンプしただけで死ぬ”、“日光がまぶしすぎて死ぬ”、“仲間がいなくなったストレスで死ぬ”……。そんな“よわよわ伝説”がネット上で広がった、海の動物“マンボウ”。これ以外にも色々とささやかれていますが、実のところこれらのほとんどはデマだったりもします。
しかし、火のないところに煙は立ちません。どこかに何かしら、マンボウ最弱伝説が広まった原因があるはずです。ちょっとばかしマンボウの生態に迫って、その噂の元を探してみたいと思います。
マンボウ、と聞いてまず思い浮かぶのは、あの平たくてでっかい体と、なんだかのほほんとした顔です。ああ見えてフグ目と、フグの仲間だったりもします。魚ですが、ちょっとその姿は特徴的ですよね。一見食べられそうにないですが、食べられます。
大きいものだと、体長3メートル近くにもなるマンボウ、これはちょっとつかまって一緒に海を泳いでみたいところですが、なんとその体にはたっくさんの寄生虫が付いているのです。この寄生虫、マンボウの目にも付着しているおかげで、マンボウは前がよく見えず、岩や水族館の壁などに激突してしまうそうです。おっと、ここでネットミームの元が出てきましたね! 寄生虫、壁に激突、死ぬと言われる原因がどうやらここにありますね。
また、マンボウは海面に横たわることもあり、理由としては、この寄生虫を鳥などに食べてもらったり、日光で冷えた体を温めたりするため、とも言われています。寄生虫、厄介ですね。実はこの寄生虫を振り落とすためなのか、マンボウは海面をジャンプすることもあるそうです。おっと、ここにもまた出てきましたね、“日光”、“ジャンプ”というキーワードが。
どうやら、マンボウの一連の行動が起因して、結果“死ぬ”という流れになっているような気がしないでもないですが、死んでしまうという結果については私が色々あさった限りはありませんでした。
いかんせん、壁に衝突などしてしまうと、マンボウでなくとも動物はダメージを受けてしまうのは当然ですからね……。
けれど思うのが、なんでマンボウの体には寄生虫が多いのかってことです。魚にはそもそも寄生虫がいることが多く、最近よく聞く“アニサキス”も寄生虫ですが、マンボウにもこのアニサキスは寄生します。ほかにもマンボウには様々な寄生虫がいるのですが……なんとその数40種類以上! と言われています。一説によると、マンボウの体の表面がヌルヌルしているからだとか、ゆったり泳ぐからだとか言われていますが、まだ理由ははっきりとはしていません。
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