常に磁場にいるから“ない”ほうが特別!?
なんだか最近ツイていない、なんだか最近調子悪い、ああ、なんだか自分の力だけじゃどうにもできない……そうだ、ちょっとパワースポットにでも行って、運気アップしようかしら? よく女性向けの雑誌などで定期的に取り上げられる“パワースポット”。「こういう場所をパワースポットって言います!」のような明確な定義はないようですが、みんな大好きWikipediaさんには“地球に点在する特別な場のこと”と要約されています。特別な場……ってなんだろう。
パワースポットと聞くと、例えば神社や山など、自然を感じ、かつ“非人為的な存在”をも感じる場所が個人的に思い浮かぶのですが、どうしても生業上「ここには本当に“科学的な要素”はないのかな?」とせれろんやまだは考えてしまいます。よく霊的な検証番組で、「そんなのありえない! 科学的に説明できる!」みたいなことをやっているときがありますが、まさにそれです。科学的に説明できない、俗にいう“霊的・不思議な現象”を否定するわけではないのですが、そこに科学的な要素はないのかな? と思ってしまうのです。現に、パワースポットで“地磁気”を測定している方たちもいるようです。地球自体は大きな磁石であり、地球上はどこでも磁気に覆われている磁場です。この地磁気が強い場所がパワースポットではないか? という発想ですね。確かに、磁気で肩こりをほぐせるのであれば、地磁気が強い場所だと天然の力で肩こりが治せそうな気もせんでもありません。
そんな磁場で、にわかに(いや、はっきりと)パワースポットと呼ばれている場所があるのをみなさんご存じでしょうか? それが、長野県伊那市にある『ゼロ磁場』です。磁場がゼロならパワーがないのでは、と考えてしまいそうですが、常に磁場が存在し、磁気の影響を受けている我々が、それが全くない場所に行くと、もしかしたら心身に何らかの影響が出るかもしれません。そういった意味ではパワースポットなのかもしれません。最初に白状しておきますが、当方、ここに行きました。なにぶん科学的にも霊的にも興味がありましてですね。でも、行ってわかったんですよ。そこがある意味“特別な場所”であることが! できることならば頻繁に通いたいところなんですが、あまりにも東京からだと遠すぎるので、まだ1回しか行けていません。
ゼロ磁場と言われている場所は、長野県伊那市の“分杭峠”にあります。実は他にもいろいろ候補がありますが、それはまた後でお話ししましょう。
この分杭峠は国道152号線にあり、古くは秋葉街道として、静岡県浜松市に抜ける道として使われていました。そしてこの秋葉街道こそが、ゼロ磁場のヒントになっています。秋葉街道は、西日本の地質を二分する『中央構造線』の断層でできた谷を利用した街道です。中央構造線とは、2つの異なる地層がぶつかり合ってできた断層で、関東(茨城県)からここ長野を経て静岡県浜松市に抜け、そこから紀伊半島、四国を経て、九州東部に抜ける巨大なものです。この2つの地層がぶつかり合い、エネルギーのバランスがとれ、かつ凝縮している、と言われていることから、“パワースポットのゼロ磁場”という位置づけになっているんですね。
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