昔から知恵としてあった腐敗を進ませないしくみ
雨、そして湿度も高く、ジメーッとした日々が続く日本の梅雨。太陽が恋しくなれど、いざ梅雨が明けたら真夏日猛暑日のオンパレードで、それはそれで嫌になる人も沢山います。そう、日本の夏は、暑くてしかも湿度が高い。冬はカラッカラに乾燥しているクセに、なぜこうもバランスが悪いのか……いっそのこと、エジプトのような砂漠気候であれば、もしかしたら凌ぎやすいのではなかろうかと思ったりもします。
エジプトといえばピラミッド、ピラミッドといえばミイラです。ミイラといえば、包帯(みたいなリネンの布)にグールグルに巻かれていて、それをほどくと半ば当時の面影を残したご遺体が現れます。これは乾燥した気候であるため、ミイラとなる条件がそれなりに残っていたゆえのものです。ですが、実はこのジメジメした日本にも、ミイラと呼ぶには少しばかり畏れ多い、乾燥したご遺体があるのです。それが『即身仏』。
生きたまま仏様になる……、現代科学を知っている我々が聞くと「いやいやそれはありえないでしょ」となりますが、当時はそのような信仰活動があったのです。
即身仏は、お坊さんがその命尽きてなおも人々を救済するために、究極の悟りを開いた姿だと言われています。本州、山形に多くそのお姿が見られますが、袈裟をまとっているミイラになったご遺体は、まさに仏様です。このようなお姿になるためには、過酷な修行を亡くなるまで続けるわけですが、それはそれは確かに、科学のメカニズムに則ってるんですね。しかも、温帯湿潤気候な日本です。エジプトのミイラとどこか違うのでしょうか?
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