色の違いとはエネルギーの違い!?
さて、前回は“食欲の秋”からこのコラムをスタートしましたが、今回は“紅葉”でスタートします。いろいろと楽しめる季節“秋”ですが、紅葉もまたそのひとつですね。青々としていた葉っぱが、気温が低くなるにつれどんどん黄色や橙、赤に色を変えていきます。それを愛でるために、人間は紅葉が美しい観光地へ出かけていきます。渋滞に巻き込まれながらね!
ということで、ここは科学のコラム、紅葉のメカニズムをさくっと説明しましょう。日照時間が短くなると、木は葉っぱへの栄養供給をストップします。自身を越冬させるために、葉っぱを不要物として捨てちゃうんですね。その過程が“紅葉”です。
葉っぱへの栄養や水分の供給がストップすると、緑の色素『クロロフィル』が分解されてしまい、それまで見えていなかった黄の色素『カロチノイド』が見えてきたり、赤の色素『アントシアニン』が生成されて、私たちの目に“紅葉”として色鮮やかに届くんですね! 私たちは、葉っぱの枯死の過程を愛でているのです。諸行無常の響きを感じざるを得ませんね!
前回の質量の話のごとく、普段気にしないものを気にしてみましょう。そもそも、なぜ“色”はあるのでしょうか? 普段私たちはいろいろなものに囲まれて生活をしていますが、その字のごとく、そのすべてに“色”があります。この“色”はどこからきているのでしょうか? あえて言われてみると、不思議に思えてくる色の存在。今回はこの“色”についてフィーチャーしたいと思います。
なぜ色があるのか。サクっと説明すると、人間が目にすることができる『可視光線』を、物質が“反射”あるいは“吸収”します。それを我々の“目”、つまり感覚器が感じ取り、脳でそれぞれの“色”として認識するのです。つまり、色を認識するためには、可視光線とそれが当たるモノ(対象物)、そしてその結果(反射もしくは吸収)を捉える感覚器の三つが必要です。早速、ひとつひとつのメカニズムを紐解いていきましょう。
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