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科学・生物で気になることをお届け! 「数式なんて知らんし!!」第6回

宇宙の始まり ビッグバン編

加速器で宇宙誕生の謎に迫る!?

2019年02月13日 12時00分更新

文● イラスト●せれろんやまだ(@Celeron_ymd

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ブツけて壊してわかること

 宇宙の産声であるビッグバン、この目で見られるものなら見てみたいですよねぇ。そのあかつきには、これまでわからなかったいろいろな謎が一気に解けるんでしょうけど。

 ですが、そのビッグバンを再現する機械がこの地球にはあるんです。〝加速器〟っていうんですけど、実は世界のあちらこちらに実験施設として存在しています。あっ、心配しなくても大丈夫です。また宇宙を誕生させる規模の爆発なんて、まだまだ人間の技術では起こせませんし、起こしたところで壮大な〝こっぱみじん案件〟になってしまい、結果を知ることなんてできませんから。むしろブラックホールに吸い込まれる方が、なんとなく痛そうで怖いです。

 その名のごとく、加速器は〝電気を帯びた素粒子を加速させる〟やたらデカい装置です。世界的に有名なのがCERN(欧州原子核研究機構)、日本だとKEK(高エネルギー加速器研究機構)ですね。茨城にあります。この加速器で、素粒子の観測をしたり、未知の素粒子を見つける実験をしているのです。

 さて、「やたらデカい」と言いましたが、その実験装置の大きさがどのくらいかと申しますと……CERNの円形加速器(リング状の加速器)だと、総延長27km、つまり半径4.3kmです。しかもそのCERN、今年の年明け早々、「今度は総延長100kmの加速器作っちゃいたいんですけど!」と発表しています。計算するとその敷地内(半径16kmくらいと想定)に東京23区がすっぽり入ってしまいますね! 山手線(路線距離34・5km)もびっくりです!

 しっかし、なんでそんなにデカい装置が必要なの……と思うでしょうが、加速器のしくみとして、デカい方(距離が長い方)が素粒子にエネルギーを与えられるのです。電気を持った素粒子は、エネルギーを与え続けられるとどんどん加速して、なんと光速に近いスピードになります。このエネルギーがぱっつぱつの状態になった素粒子同士をぶつけて、その反応を見るのです。そう、小さなビッグバンの再現ですね。

 普通モノ同士をぶつけると、互いが壊れそうな気がしますが、素粒子は物質の最小単位のため、もうそれ自体壊れることのできない存在です。この素粒子同士をぶつけると、あれあれ? なんと新しい素粒子が生まれるんですね! そうやってできた素粒子を調べたり、観測することで、従来の素粒子の詳細なはたらきの解析や、未知の素粒子の発見につながっていくのです。

 皆さんも、数年前『ヒッグス粒子』発見! というニュースを聞いたことがあるかと思います。このヒッグス粒子はCERNの加速器でその存在が発見、そして発表されたんですね。ヒッグス粒子は、素粒子に質量を与えるはたらきをする素粒子です。CERNもKEKもですが、ここでの研究結果などから、ノーベル賞受賞者が爆誕しています。

 加速器を使って素粒子を調べることで、結果宇宙の起源や構造、そしてわたしたち生命の謎がわかっていくのですね……。実際、加速器はがんの治療や、新しい素材の開発などにも使われています。ブラウン管のテレビやモニター、あれにも加速器の技術が使われているんですよ。やはり万物の大本は素粒子だからってことでしょうか。

 さて、加速器の概要をさらっと説明したところで、もう少し深堀りしたいと思います。

せれろんやまだ

 大手PC関連デバイス販売代理店で敏腕を誇った“姐御”。科学好きが高じてついに連載開始。夢は家事を放棄すること。

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