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殻割り空冷でどこまでいける!? 『Core i3-7350K』爆速オーバークロック(前編) (1/3)

2017年03月11日 13時00分更新

文● 清水貴裕 編集●ジサトラショータ

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 さあやって参りました!パソコンを使って調理をする……じゃなくてパソコンを速くする“オーバークロック(OC)”の時間です!(どこからともなく拍手)

 今回は2月11日に発売された、Core i3初の倍率アンロックモデルである『Core i3-7350K』のオーバークロックがお題です。先んじて販売されていた上位モデル『Core i7-7700K』や『Core i5-7600K』が動作クロック5GHz超えを連発していることもあり、この第7世代Coreプロセッサー(コードネーム:Kaby Lake-S)Kシリーズの末っ子には期待が高まります。

Kaby Lake-Sのオーバークロック耐性ってどうなの?

2月22日に販売開始となったi3初のK付きCPU『Core i3-7350K』。実売価格は2万3000円前後です。

 まずは、気になるKaby Lake-Sのオーバークロック耐性について軽く触れておきましょう。Core i7-7700Kの場合は、改良された14nmプロセスの恩恵で、第6世代Coreプロセッサー(コードネーム:Skylake-S)に比べOC耐性が200~300MHzほど上昇しているようです。個体差はありますが、5.3GHz以上でベンチマークが完走するものもあったりと、オーバークロッカーにとっては夢の詰まったCPUと言えるでしょう。i3初の倍率アンロックモデルは、果たしてどれ程のオーバークロック耐性をみせてくれるでしょうか。

Core i3-7350KのCPU-Z画面。定格4.2GHz動作となっています。

 Core i3-7350Kの特徴として、定格の動作クロックがCore i7-7700Kと同じ4.2GHzとかなり高いことが挙げられます。一方で、残念ながらTurbo Boost機能には非対応です。i7より2コア少ないデュアルコアCPUなので、TDPはCore i7-7700Kよりも31W低い60W。低減しているであろう発熱がオーバークロックにどう影響を及ぼすのかは気になるところですが、L3キャッシュの容量が4MBと半分になっており、ベンチマークによっては少し速度が出にくいかもしれません。

 半ネタバレになってしまいますが、今回検証を行った感じでは、TDPが低いぶん上位のCPUよりも発熱が少なく扱いやすい印象を持ちました。それだけでなく、電圧を入れても発熱があまり増えないので、オーバークロックでガンガン遊びたい人には楽しいCPUだと思います。

OCするためのマザーボード選び

 オーバークロックに挑戦する前に知っておきたいのが、必要なパーツ選びについてです。倍率がアンロックされたKシリーズのCPUではありますが、倍率を変更してのオーバークロックを行うためには、Zシリーズチップセットを搭載したマザーボードを選ばなくてはなりません。最新のIntel 200シリーズでは、選択肢はZ270チップセットを搭載するマザーボードのみとなっています。

 ちなみにSkylake世代以降は、クロックジェネレーターをマザーボード上に搭載することで、ベースクロック(BCLK)を変更してのより自由なオーバークロックが可能となっています。ただし、ベースクロックを変更してのオーバークロックは同時にメモリークロックも上昇するため、メモリー起因のトラブルが起こり不安定になりがちです。Skylake世代では一部のマザーボードを使用することで無印モデルのCPUオーバークロックもできましたが、現行の200シリーズでは対策が施されたようです。

ASUSTeKの『ROG MAXIMUS IX APEX』は競技仕様のガチなマザーボードです。

オーバークロック用のオンボードボタン類を多数搭載。

 マザー選びのポイントですが、競技OCでハイスコアを目指す場合、オーバークロックに特化した競技仕様の製品がオススメなのは言うまでもありません。しかし、それらの製品はオンボードボタンなどの専用機能を多数備えていたり、高品質なコンポーネントを多用しているためお値段も高めです。加えて、メモリーのオーバークロックのために8層や10層の基板を採用している場合もあって、常用オーバークロックだけを考えるなら、少々オーバースペック感があります。

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