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折りたたみiPhoneは「iPhone Duo」! iPhone 18 Pro&iPhone Duo徹底特集 第35回

アップル「iPhone Duo」

36万円超の「iPhone Duo」を使ってわかった「いつものiPhone」の安心感と大画面の課題

2026年10月21日 21時00分更新

文● 山本 敦 編集●ASCII

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インナーディスプレーの完成度は高いが
マルチタスクが課題

 インナーディスプレーは、特に写真や動画、ゲームなどのコンテンツを表示すると迫力が伝わります。内側だけにNano-texture仕上げを加えていますが、表示の精細感や色合いは、内外のディスプレー間で上手にバランスを整えている印象です。

iPhone Duo

カバーレイヤーを配置したことで、インナーディスプレー中央の“折り目”を極力目立たなくしています

 筆者が気に入ったのは、本体を縦向きに置いて使えるiPhone Duoならではのスタンバイです。インナーディスプレーの片側に時計やカレンダー、もう片側に旅行の写真を表示すると、スマホが身近なデジタルフォトフレームに変わります。操作していない時間にも楽しめるiPhone Duoに、自然と愛着がわいてきました。

iPhone Duo

iPhone Duoは本体を縦に置いた状態で、インナーディスプレーの左右に異なるコンテンツを表示しながらスタンバイを活用できます

 インナーディスプレーの右上端には、アンダーディスプレーFaceTimeカメラがあります。画面を傾けると、レンズの位置がすぐにわかります。また、FaceTimeカメラを起動すると、レンズの隣にグリーンのインジケーターが点灯します。

 このFaceTimeカメラでセルフィーを撮ることもできますが、セルフィーをきれいに撮りたい場合は、アウターディスプレー側のセンターフレームカメラか、アウターディスプレーで構図を確認しながら使える背面のメインカメラを選びたいところです。

iPhone Duo

アンダーディスプレーFaceTimeカメラを採用。撮影時にはグリーンのインジケーターが点灯します

iPhone Duo

アウターディスプレー側には12MPセンターフレームカメラを配置しています

 インナーディスプレーはiPhone史上最大の7.6型という大きさが特徴ですが、コンテンツによっては6.9型のiPhone 18 Pro Maxよりも表示が手狭に感じられる場合があります。普段使う向きでは、表示領域の縦方向の長さが限られるためです。

 たとえば「メッセージ」アプリは、ディスプレーが縦に長いMaxであれば過去の会話の履歴をより多く表示できますが、Duoはメッセージ入力時にソフトウェアキーボードも下側に表示されるので、見渡せる会話の領域は思いのほか限られます。アウターディスプレーの場合も同様です。

iPhone Duo

右側は6.9型のiPhone 18 Pro Max。通常は横長の状態で構えることが多くなりそうなiPhone Duoは、ディスプレーの縦方向の尺が短くなるので、縦方向に長く表示するコンテンツは手狭に感じられます

 ホーム画面に並ぶアプリアイコンも、従来のiPhoneより小さく感じられます。使い慣れたiPhoneから乗り換えると、最初は見え方の違いに戸惑うかもしれません。

iPhone Duo

アプリアイコンのサイズも、iPhone Duoは小さめになります

 インナーディスプレーによるマルチタスクも、発売後の改善に期待したいポイントです。Split View表示で同時に並べて動かせるアプリは2つまでで、表示比率は1対1に固定されます。参照したい資料側を広く、メモ側を狭くするといった配分はできません。「メール」「設定」のアプリ内では左右の表示比率をある程度変えられますが、2つのアプリの分割表示とは別の話です。

iPhone Duo

iPhone Duoのインナーディスプレーによるマルチタスクは、最大2つのアプリまで同時に動かせます。表示比率は左右1対1に固定。中央のデバイダー部分をタップすると2つのアプリのペアリングが固定され、以降繰り返し使えるようになります

 3つのアプリを同時に並べられるGalaxy Z Fold8や、ウィンドウの位置とサイズを変えられるiPadOSに慣れていると、Duoのマルチタスクの自由度はやや物足りません。PixelのFoldシリーズも基本は2アプリですが、画面の分割比率を調整できます。特にフォルダブルスマホの使用経験がある方は、本機のマルチタスクの使い心地を事前に確かめておくべきです。

 背面のメインカメラは、いずれも48MPセンサーを搭載する広角と超広角のデュアルレンズシステムです。超広角がある点はiPhone Airよりも表現の幅が広いのですが、望遠撮影はメインカメラを活用した「光学品質2倍」まで。遠くの被写体もなるべく高精細に撮れるカメラを重視するならば、やはり望遠カメラを備えたiPhone 18 Proシリーズを選ぶべきです。

iPhone Duo

超広角カメラによるマクロ撮影が楽しめるところは、iPhone Airに対する優位性です

iPadのような使い方もできるようになるのか

 iPhone Duoは、使い慣れたiPhoneの環境を変えずに折りたたみを楽しみたい方には有力な選択肢になります。

 ただ、iPadのようなタブレット的な使い方を期待している方は、現時点では少し慎重に構えるべきかもしれません。年内にソフトウェアアップデートで提供予定のApple Pencil(USB-C)への対応は、筆者もまだ試せていません。マルチタスクにおいては、ウィンドウを自由に配置できるiPadOS 27が有利です。ビジネスシーンを中心に、iPhoneとiPad miniの2台持ちのほうが高い生産性を実感できる場合もありそうです。

iPhone Duo

左側は8.3型のiPad mini。iPhone Duoは、iPad mini+iPhoneによる2台持ちの手間を解消してくれるデバイスになるのか。今後予定されている、Apple Pencil対応の手応えを確かめる必要があります

 アップルには発売後もユーザーの声に耳を傾けながら、iPhone Duoを他にないフォルダブルスマホとして、ますます便利なデバイスに育ててほしいと思います。

 なお、iPhone Duoの予約受付は10月16日から始まっています。すでに予約した方も、これから購入する方も、iPhone Duo向けのAppleCare+への加入を併せて検討したいところです。

 過失や事故でディスプレーを壊してしまった場合の修理費用は、AppleCare+の加入の有無で大きく変わるからです。インナーディスプレーのカバーレイヤーも、損傷時には正規の窓口で交換できるとアップルは説明しています。海外出張などにiPhoneを持参する機会が多い方は、所定の条件を満たせば盗難や紛失に備えることもできます。36万円を超えるスマホを日々持ち歩くことを考えれば、加入を検討する価値はありそうです。

 筆者はiPhone Duo本体の完成度には納得しましたが、毎日開いて使いたくなる決定的な理由には、まだ巡り会えていないとも感じています。一方で、初代からこれだけの完成度を備えているからこそ、ソフトウェアアップデートや対応アプリの充実によって使い道が広がる余地は大きいとも思います。

 いま使える機能を掘り下げながら、この新しいiPhoneにどんな「開く理由」が加わっていくのか、楽しみにしたいと思います。

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筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

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