このページの本文へ

新清士の「メタバース・プレゼンス」 第178回

GPT-4o級モデルが自宅のPCで動いた! ローカルAIの常識を変える「Strata」

2026年10月19日 07時30分更新

文● 新清士

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

VRAMの壁を破る「Strata」の仕組み RTX 3070 Tiでも動作したが、RAM 32GBでは実用性に課題

 Strataを開発したのは、中欧スロベニア在住の起業家ニコ・ファイトさん(Niko1221)。GPU、RAM、SSDに役割を分担させ、巨大モデルをVRAM容量の小さいGPUでも動かすことを目的とした推論エンジンです。9月18日の掲示板Redditへの投稿では、RTX 5070(VRAM12GB)で、Qwen3.8-Flash-Nextを動かすことに成功したと明らかにしていました。これまで公開されてきた軽量化のテクニックを、コンシューマ向けPCでも動作するように一気にまとめ上げたことが大きかったのです。

 また、ClaudeやCodexといったAIを使った最適化作業をしていることが明らかにされています。リリースからまだ1ヵ月が経過していないのに、50回以上のアップデートがされるほど、急速に更新が進んでおり、LinuxのサポートやAMD系の高速化、対応ハードの拡大など、応用範囲の拡大が続いています。

 Strata+Qwenはそれほど強力なPCでなくても動作するため、注目も集めています。それでは、最低限どれくらいの環境があれば動作するのでしょうか?

 Qwen3.8-Flash-Nextには圧縮によって様々なバージョンが存在します。サイズの大きいモデルほど性能は高いのですが、分散によって効率化し、安定して動作させるために求められるRAMの量が増えていきます。Qというのは量子化(圧縮)を意味しており、数値が大きいほどオリジナルバージョンからの圧縮の度合いが控えめなため、性能が高くなります。

各モデルの違い。Strata Docsを基にまとめ直したもの

 スペック的にはかなりギリギリと思われるRTX 3070 Ti(VRAM 8GB)搭載PC(RAM 32GB)で動かしてみました。このPCで動かすことができるモデルは限られており、「Qwen3.8-Flash-Next Coder IQ1_M」しか事実上動作しません。Coderとついているのはコーディング作業に使えるという意味で、会話などの能力は正直、高くありません。

 実際に、自己紹介をさせたところ、毎秒27.5トークンで出力されるため、反応速度は悪くありません。ただし、日本語だけでなく、中国語、英語が入り混じった返答が出てくるため、残念ながら使い物になる水準ではありませんでした。ただ、RAMを追加して、48GBを超える容量にすれば、限定的ではありますが、より大きなモデルを使えるので、できることは増えてくると思われます。

RTX 3070 Ti搭載PCで、AI自身にLLMの自己紹介をさせているところ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
ピックアップ