このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

社会へのテクノロジーの関わりを具体的に示した「HPE Discover 2026」の展示

“月面でAI実験”から“スマート養蜂”まで、HPEが技術の広がりを披露

2026年10月16日 14時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

Project Mellifera:HPE本社でミツバチの巣箱を見守るのは、AI?

 顧客のAI活用を主にインフラ面で支援するHPEだが、当然、HPE自身もさまざまな用途にAIを活用している。その一例として、展示会場では社内プロジェクト「Project Mellifera」が紹介されていた。

 Melliferaは「蜜を運ぶ(ミツバチ)」という意味のラテン語であり、このプロジェクトはHPEによる養蜂プロジェクトである。環境保護と地域貢献を目的として、退役軍人の支援団体「Hives for Heroes」と協力し、HPEヒューストン本社の屋上に設置された6つの巣箱から始まった。

 スタート当初、巣箱で相次いで女王蜂が死ぬという課題に直面したことをきっかけに、センサーとAIを使って巣箱の状態を遠隔監視する“スマート養蜂”に取り組むようになったという。このあたりはHPEらしいエピソードだ。

Project Melliferaの展示

HPE本社屋上で展開する“スマート養蜂”(画像出典:HPE)

 本社にある6つの巣箱にはセンサーが設置されており、温度・湿度・酸素・CO2・気流などのデータを収集している。センサーから得られる生データはそのままでは扱いにくいため、担当者が「ビー・データグラム」と呼ぶ形に整形し、扱いやすい情報に変換したうえで、プライベート5G経由でコア・コンピュートに送信し、AI分析にかけているという。

巣箱に取り付けたセンサーでさまざまなデータを収集し、AIで分析している

 データ処理は2段階になっているという。まずは処理の軽い仕組みで異常検知を行い、異常がみられる場合にのみ、エージェンティックAIが詳細分析を行う。「センサーデータをすべてAIに投げて判定させるのは、楽ではあるものの非効率」(担当者)だからだ。1つの巣箱のデータ履歴だけでなく、他の巣箱とのデータ比較、気象情報、養蜂に関する科学的なナレッジベースなどと照合したうえで、養蜂家への推奨事項を提示するという。

巣箱のセンサー(図の左上)を起点としたデータの流れ。異常が検知された場合のみ、AIエージェントスタック(右下)にかけて分析を行う仕組みだ

同プロジェクトのソリューションスタック。データの収集から分析まで、エッジサーバー、ネットワーク機器、プライベートクラウド、GreenLake Intelligenec MeshなどHPEの技術をフル活用している

 Project Melliferaでは、昨シーズン200瓶のハチミツを収穫したという。このプロジェクトはチャリティ活動とも連携しており、HPE社員が10ドル以上寄付すると収穫したハチミツがもらえる仕組みだ。

 会場にはホログラフィックな生成AIアバター「Madame Mellifera」も展示され、来場者からの質問に回答していた。担当者は、この仕組みは業界を問わず「データから異常を検知し、深い洞察を得る」ために応用できると説明した。

生成AIアバター「Madame Mellifera」が、プロジェクトへの質問に答えてくれた

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

  • 角川アスキー総合研究所