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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第177回

AIに「法隆寺の五重塔」を作らせてみた 修正を重ねてたどり着いた驚きの完成度

2026年10月12日 07時00分更新

文● 新清士

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五重塔を作ってわかった1300年前の建築技術のすごさ、そしてAIの限界

 ただ、筆者は何度も修正作業を重ねることで、法隆寺の五重塔がとてつもなく複雑な木造建造物であり、これが7世紀に作られていたことがどれほどすごいのかを感じました。屋根を支える部材の組み合わせが、想像以上に複雑で、重さを適切に逃がすための工夫が随所に施されていることが理解できました。たしかにV1のように外側だけを単純に形作ったのでは、法隆寺の建物としての本質が伝わる3Dモデルにはなっていないのだと感じました。Dotsが歴史的建造物の3Dモデルを作ることは得意である可能性はありますが、それでも現状では、精度を問うには専門家の監修が必要であることがわかりました。

 今回は、様々な方から意見をもらいながら修正を積み重ねることを通じて、建築物は、その姿の雰囲気を真似ただけでは足りず、構造の意味を考える必要があると気づくきっかけを得たことが、重要な体験でした。

 そして、今後、建築領域にもAIを使った3Dモデリングが広がっていく可能性も高いと感じました。一方で、手軽にAIに指示をして3Dや3D動画を作れる時代は、ますます近づいています。筆者が小学生の頃、祖父の家にあった五重塔の模型に抱いていた妄想を、Dotsに指示して、初めて映像化した動画をご紹介して終わりにします。実はこれがやりたくて、五重塔をテーマに選んだのでした。

Dotsが作成した「五重塔宇宙に行く」動画

△「五重塔宇宙に行く」の動画本編

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社バリーン・スタジオ Creative Tech Lab./デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。2026年3月に発売したクラフト系サバイバルゲーム「Exelio」のAIによるキャラクターデザイン、3Dプロップの作成を担当。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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