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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第177回

AIに「法隆寺の五重塔」を作らせてみた 修正を重ねてたどり着いた驚きの完成度

2026年10月12日 07時00分更新

文● 新清士

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わずか45分で五重塔が完成。しかし、専門家からは厳しい指摘が

 最初のバージョンの作成にかかったのは45分。公開されている写真の構図に合わせて、比較できるようにしてみました。これはなかなか品質が高いと思いました。もちろん、1階部分を見れば形が異なる箇所は見られるのですが、品質は高く見えました。

Dotsが作成した法隆寺の五重塔の最初のモデル

 これをX上で公開したところ、建築の専門家の方から、「これを再現できていると評価するかどうかは意見が分かれそう」「人間がトレースしたらこうはならない」といった意見をいただきました。ただ、課題があるにしても、それが何なのかを具体的には教えていただけませんでした。筆者はビデオゲームで表示できる程度のものを考えていましたから、このバージョンでも十分すぎると思ったのですが、課題がまだまだあるようです。文化庁が公開していた調査結果の図面なども使って、一致を目指したのですが、それでも足りていないという評価でした。

 そこで、どんな課題があるのかも含めてDotsに調べさせることにしました。歴史的建造物を3D化するうえでのノウハウは研究分野として存在しているのではないかと考え、関連する論文から修正のルールを作らせることにしたのです。Dotsは8本の論文を見つけ出し、それらを分析して、「似た形を作るだけでなく、何の部材が、どう組み合わさっているかまで確認する」という考え方に基づく、独自の5つの確認方針を作ってきました。

文化庁が公開していた資料に3Dモデルを合わせてみて、どの程度のずれがあるかを確認したもの。赤がDotsの3Dモデルで、V2からV3への修正実施時

論文調査をさせた結果の実際のDotsの画面。右はその報告書

Dotsがまとめた今後の確認方針

 それでも細かなミスは残りました。まず図面や写真では確認しにくい箇所や、情報が少ない建物内部などが、それに当たります。また、文化庁の図面では、屋根の陰になってしまう部分があり、その部分が丸ごと作られていないこともわかりました。作成するたびに画像をXに公開したところ、そうしたミスについて様々な方から指摘をいただき、それを反映していきました。とくにV6からV7への修正時には、やはり詳しい方から、屋根を支えている部分がまったくできておらず、屋根が宙に浮いた状態になっていると指摘をいただき、色を変えて出力してみて、筆者も初めて気が付きました。

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