7万5000行規模になるとAIだけでは管理できない
わかってきたのは、Fable 5でも、最新のGPT-5.6 Solであろうとも、現状は、複雑さの理解には限界があるということです。すでに3ヵ月間の百夜スタジオの開発を通じて、コードの長さは約7万5000行に達しており、機能数とコード量だけを見れば、小さめの商用Webサービスや、AI登場以前には数人チームが1年かけて作るような社内システムに相当する規模にまで膨らんできています。この規模になると、AIは全体像を正確に把握し、システム全体の整合性を検証することができなくなるようです。そのため、Codexにかなりしつこくデバッグさせても、バグは取りきれません。人間が一つ一つ動作確認をして修正していく必要があります。その作業が次第に重くなっていることを実感しました。
まだ、最先端LLMであっても、商業規模のゲームをいきなり作ることはできないと言われています。これは、複雑化するコード、アセット、パラメータなどの多数の情報が生み出す複雑さを、まだ全体像として取り込むほどの能力がないためです。どの機能を、AIに任せるのかという作業範囲の設定は非常に重要です。
それ以外にも、トラブルは次々に起こります。悩まされたものの一つが、各PC環境の違いやアプリ環境の違いが起こすトラブルです。特に、ComfyUIのアップデートには悩まされました。ComfyUIがアプリ機能を強化する「ComfyUI Desktop」にアップデートした時期でもあったのですが、そのためにさまざまな設定が変更されたことで、動かない要因になったりしました。「Krea 2」への対応のために最新のComfyUIへの対応が必須だったため、バージョンアップをする必要がありました。現在でもトラブルをよく引き起こすポイントなので、最初に疑います。
△デザイナーのUさんが作成したAI動画。今回は百夜スタジオの機能だけで作るというルールにしているとか
しかし、大量の不具合を乗り越えて、社内LANの環境からは、IPアドレスさえ入力すれば、簡単にアクセスできる環境を整えました。それにより利便性は以前よりも増しました。ユーザーアカウントによるログインを行い、管理アカウント以外からは、自分以外の生成データは見えないようにしました。アクセスが簡単になったことで、試しに触る人が社内で増えています。そして、触った人からは、この部分はバグではないかという指摘や、こういう機能を追加してほしいという意見が出てくるようになりました。
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