コーンズテクノロジーの展示会で、少し未来の技術を先取りしてきた
実用化が楽しみすぎるスマート技術たち 「長距離ワイヤレス給電」から「室内向け太陽電池」「超音波センサー」まで
2026年07月15日 11時30分更新
私たちがふだん何気なく恩恵を受けている先進技術。その社会実装の裏には、海外企業と国内産業をつなぐ「技術商社」の存在がある。
そんな技術商社のひとつであるコーンズテクノロジーが、2026年7月9日から10日の2日間、プライベート展示会「CORNES NEXT TOUCH 2026」を都内で開催した。同社が見いだした世界の“ニッチトップ技術”を披露するこの展示会は、昨年の好評を受け2回目となる。
今回は「スマートファクトリー」「次世代インターフェース」「サステナブル電源ソリューション」をテーマにした次世代技術が一堂に会した。本記事では、その一部をレポートする。
ケーブルなし、最大1.5メートル範囲内のデバイスに“ワイヤレス給電”
最初に紹介するのは、「長距離伝送ワイヤレス給電」だ。カナダのスタートアップAWL-Electricity社による「電界共振結合方式」を採用したソリューションで、前回の展示会でも反響を呼んだという。
この電界共振結合方式は、現在のワイヤレス給電の主流「電磁誘導方式」が抱える“伝送距離の短さ”や“位置ずれへの脆弱さ”といった課題を克服する技術である。最大1.5mの範囲内であれば、複数デバイスへの給電が可能であり、位置合わせの手間からも解放される。伝送距離を絞れば、1対1で最大4kWという高出力供給も可能である。
加えて、送電プレートやデバイスに組み込む受電部が発熱しないのも、電磁誘導方式との大きな違いだ。
この技術が実用化されれば、デスク周りの機器や家電のワイヤレス化にとどまらず、産業領域の配線が困難なセンサーや動き回るロボットへの非接触給電も可能になる。車載システムに実装すれば、ケーブルハーネスを削減でき、車両設計の自由度も向上するという。
現在、国内でもコンシューマと産業向けの両面で検証が始まっており、実製品への期待も高まるばかりだ。煩わしい電源ケーブルから解放され、あらゆるものが“完全ワイヤレス”になる未来も、そう遠くはないかもしれない。
“赤外線+可視光”小型カメラモジュールから“3D超音波”センサーまで
展示会では多様な産業用センサーも披露されていたが、その中から「超小型赤外線カメラモジュール」を紹介しよう。
米テレダインフリアー社の「Lepton XDS」は、赤外線と可視光の2眼を組み合わせた、組み込み・OEM向けのマイクロカメラモジュールだ。160×120画素の放射温度測定対応マイクロサーマルカメラと、500万画素の可視光センサーを一体化している。
この2眼のカメラで熱情報と可視情報を同時に取得し、可視画像から抽出した輪郭(エッジ)と熱画像をリアルタイムに合成。これにより、解像度を上げることなく、視認性・識別性の高い熱画像が取得できる。
もうひとつ注目したいのが、ロボットなどに“超音波の目”を実装できる、ノルウェー・Sonair社の「3D超音波センサー」だ。水平・垂直180度の広視野角、最大5メートルの広範囲が検知対象であり、対象物との距離に加えて3次元方向(X、Y、Z)もリアルタイムに出力できる。
光線ではなく超音波を用いるため、照明条件や反射率に左右されにくく、可視光カメラやLiDARが苦手とする「透明な物体」「黒色の物体」も検出が可能。基本的には、近接障害物の検知用途を想定しており、特に自律走行ロボット (AMR)や無人搬送車(AGV)の衝突防止に最適だという。
途切れないインフラを実現する、移動体向け“Wi-Fiメッシュネットワーク”
次は、ロボットやドローン、重機といった移動体の間で通信網が構築できるメッシュWi-Fi「Meshmerize Hive」だ。ドイツのドレスデン工科大学発ベンチャー・Meshmerize社が開発したソフトウェアベースのソリューションである。
特徴は、デバイスが移動中でも瞬時に接続を切り替える「ゼロ・ハンドオーバー」や、常に複数の通信経路を確保する「多重経路」によって、途絶しないインフラを実現することだ。
ユースケースとしては、屋外でのドローン運用や建設現場に加え、死角が生まれやすい工場内の通信構築など。ドローンの運用では、最大50kmの長距離通信に成功した実績もあるという。また、特定のハードに依存せず、Linuxベースの機器であれば容易に実装できる技術であり、既存資産をそのまま活かせるのも強みといえるだろう。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります
















