コーンズテクノロジーの展示会で、少し未来の技術を先取りしてきた
実用化が楽しみすぎるスマート技術たち 「長距離ワイヤレス給電」から「室内向け太陽電池」「超音波センサー」まで
2026年07月15日 11時30分更新
「感情の動き」までマッピングできる“感情認識AI”
続いては、英国のBlueSkeye AI社が手掛ける「感情認識AI」だ。カメラで顔の筋肉や視線など計66点の動きを読み取り、機械学習を活用してユーザーの感情を分析する。
同社は、ノッティンガム大学からスピンアウトした企業であり、臨床レベルの検証を重ねた機械学習モデルを採用。単純な感情の度合いだけではなく、感情の推移やその速度、大きさなどをリアルタイムに検知できるのが特徴だ。
英国では既に、ヘルスケア業界や食品領域のユーザーテストに利用されているほか、車載カメラと組み合わせてドライバーの眠気や疲労状態を検知する仕組みへの応用も進んでいる。コーンズテクノロジーでは、こうした自動車のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)やロボティクス分野など、量産製品への採用を訴求していくという。
期待の次世代UI“ハプティクスドライバー”“高感度ひずみセンサー”
次世代のインターフェースとして展示されていたのが、カナダのBOREAS社による「ピエゾ・ハプティクス・ドライバー」だ。
現在、静電容量式タッチ操作の採用が進む一方、物理ボタンのような“クリック感”がないため、誤操作や操作の不安を招くという課題があった。それに対して同技術は、センサーとアクチュエーターを一体化させ、タッチ操作を検知すると同時に「触覚フィードバック(ハプティクス)」を返すのが特徴だ。
最大4つの「ピエゾ素子」を制御することで、振動パターンや強さを調整でき、ボタンやスライダーの操作時に確かなフィードバックを実現する。さらに、ピエゾ素子を振動させることでポンプを循環させ、熱を分散させる「マイクロクーリングポンプ」にも応用でき、スマートフォンのケース背面などに採用されているという。
もうひとつ展示されていたのがフランスのNanomade社による「高感度ひずみセンサー」だ。ナノ粒子ベースの独自インクを利用して、極めて薄く、柔軟性に優れたセンサーを実現。素材の質感を損なうことなく、金属やプラスチック、ガラス、布など、あらゆる素材にタッチ&圧力検知機能を付与することができる。
ブースでは、その高い感度を活かしてクッションの中に組み込み、微細な振動を検知して、心拍数や呼吸数を算出するデモも体験できた。
サステナブルな電源ソリューションで“脱・使い捨て電池”
最後に紹介するのは、2つのサステナブル電源ソリューションである。
1つ目は、屋内照明や微弱な環境光に特化した、スウェーデン・Epishine社の「室内向け太陽光発電素子」だ。屋内の光源に最適化された有機薄膜太陽電池(OPV)であり、わずか1ルクスの暗い環境でも発電できる。日本発の技術であるペロブスカイト方式と異なり、“鉛フリー”なのも特徴だ。
既に量産体制が確立されており、Google TV 向けリモコンに採用されているほか、産業用途ではIoTセンサーや資産追跡タグなどにも利用され、使い捨ての電池を置き換えるソリューションとして注目を集めている。
2つ目は、同じくスウェーデン発のLIGNA Energy社による「バイオフィルム電池」だ。木材由来の「リグニン」を主原料とする環境に配慮したスーパーキャパシタ(急速放電と長寿命が特徴の蓄電デバイス)で、超薄型(0.4~0.45mm)フィルムでありながら、20mFから大容量1.2Fまでのラインアップを揃えている。
有害な重金属を含まず火災リスクがないため、IoTデバイスやウェアラブル端末への組み込みに最適な、サステナブルな電源として期待されている。エネルギーハーベスティング(環境発電)技術と組み合わせることで、夜間や暗所でも途切れない、メンテナンスフリーなシステムも構築可能だ。
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