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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第162回

ローカルAIで“しゃべる推理ゲーム”を作ったら、思ったよりちゃんとゲームになってきた

2026年06月22日 07時00分更新

文● 新清士

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小型モデルでテーマ討論ゲームも作ってみた

 ところで、Googleが「26B A4B」を使って、10体のサブAIエージェントを動かして、分業によって、アプリケーションを高速に生成する動画を公開しました。このモデルはパラメータサイズのわりに、4B相当でしか動作しないのですが、小さなメモリ消費量で動作するというモデルです。

 この方法は、容易にまねできるため、26B A4Bを前提として、筆者も作ってみることにしました。作成したのはテーマ討論ゲーム「Gemma Concurrent Debate Wall」です。

 ひとつの話題を提案すると、それに合わせて賛成・反対に分かれ、4体のエージェントが議論し、専門性を持った3つのジャッジが勝ち負けを判定して、それを10回繰り返して、合計点でその話題での勝ち負けを判定するというアプリです。話題が抽象論で退屈にならないように、リサーチャーという、話題に合わせて最新のトピックスを拾ってくるAIも設定しています。そのため、都合8体のエージェントが走って、議論を続けていくという仕組みにしています。

「Gemma Concurrent Debate Wall」のデモ(アプリはGitHubで公開中)

△「Gemma Concurrent Debate Wall」のデモ動画

 動画では、「シンギュラリティに賛成か反対か」を問うていますが、序盤では賛成派が優勢だったのですが、後半に巻き返されて、負けてしまいました。最終総括では次のように書かれています。

FINAL SUMMARY / 最終総括 今回の討論の勝者は慎重派です。

慎重派が勝利した決定的な理由は、技術進化がもたらす「不可逆的なリスク」に対する論理的な防衛力の高さにあります。賛成派は、環境破壊などの現状の破滅を回避するために技術加速を「唯一の救済策」として提示しましたが、慎重派は存亡リスク(Existential risk)を根拠に、その加速こそが制御不能な破滅を招く最短経路であると反論しました。賛成派の主張が、技術によるパラダイムシフトという理想論に依存しすぎたのに対し、慎重派は社会の受容能力や人間性の喪失といった、技術が既存の社会基盤を破壊する具体的なプロセスを的確に突きました。

 テーマに合わせて次々に生成される議論や、SF的なUIの変化はなかなか眺めていても楽しいものです。4Bサイズでは、ゲームシナリオのようなもので、設定を維持しながら展開するのは得意ではないようです。しかし、こうした高速な環境で議論させるような用途でも、十分な日本語品質を生み出せているように思えます。

 筆者のNVIDIA RTX 4090を搭載したPCでは16.5GBのVRAM消費量でまだ余裕があり、さらにエージェントを増やしても余裕がありそうです。アプリでは、VRAMが少なめのPC用に、エージェント3体と5体のモードも用意しました。

 こちらは、GitHubに公開していますので、試してみてください。

 現在、ユーザーができるのは、最初のお題設定までです。今後、読み上げ機能や、ユーザーが介入して議論を変化させる仕組みを組み込んだりすれば、また新しいゲーム性を生み出せそうだと感じています。

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