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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第162回

ローカルAIで“しゃべる推理ゲーム”を作ったら、思ったよりちゃんとゲームになってきた

2026年06月22日 07時00分更新

文● 新清士

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ゲーム品質としては12Bモデルで十分

 同じストーリー展開を提供し、それらがどの程度適切に出力されるのかを比較してみました。すべて自動で3回生成させました。プレイヤーの応答部分もAIに選択させて、ログデータを蓄積しました。そして、最終結果が揃ったところで、返答のない無音状態が起きていないか、会話でゲームを適切に進めることができているのかなどの観点から、Opusに評価させました。

生成したログデータ。12Bのもの

生成したログデータ。E4Bのもの。

 やはり、品質的にはOpus 5.8のものが抜群によく、自然な文章でした。次点で31Bでした。ただ、結論としては、「Rinon Detective」に使うには、12Bがゲーム品質としては十分であるという結論に至りました。E4Bでは、そもそも、出力が出てこないことがあったり、キャラクターのセリフの人格を維持できなかったり、同じ内容を反復することがありました。進行不能を避けるための対策スクリプトを別途入れないと、ゲーム進行を成立させるのは難しい状態でした。さらに2Bになると、そのままではゲームを進行させるのが難しい、という結果になりました。

 12Bは、6月5日にリリースされた比較的軽量でありながら、大きめのパラメーター数で動かすことを実現したモデルであるため、軽量モデルのE4Bを採用する意味はなくなってきています。そのため、今後の開発は12Bを基準として進めてよさそうだと考えています。

生成したスクリプトを分析して、各モデルの違いを分析したチャート。Opusに分析や作成をさせている。

 実は担当編集に見せたところ、すべての展開パターンを先に計算しておき、LLMがなくてもプレイできるパターンがあってもいいのではと提案してくれました。様々な分岐があり得るわけですが、それらもすべて事前に計算して作成しておき、音声ファイルだけIrodori-TTSでリアルタイムで作成することで計算時間を短くするアイデアです。これまでのアドベンチャーゲームに近い体験ですが、LLMなしにLLMを利用したかのような体験ができるというものです。

 なるほどと思い、さっそく実装しました。会話部分は、最も品質の高いデータを出せるOpus 5.8で作成し、事前に選択式で読み込ませる形にしました。もちろん、スクリプトを用意すれば試せるので、他のLLMで作っても問題ありません。そうすることで、ゲーム体験がどの程度変わるのかを、より迅速に探ることができます。動画のデモ版はそれを採用しています。

 「Rinon Detective」はまだ作りかけのゲームで、生成される会話を聞いているだけで、ゲームに没入できるのかを試している段階ですが、相変わらず、AIを使った開発は、技術検証まで含めて手早く進められると感じます。

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