ゲーム品質としては12Bモデルで十分
同じストーリー展開を提供し、それらがどの程度適切に出力されるのかを比較してみました。すべて自動で3回生成させました。プレイヤーの応答部分もAIに選択させて、ログデータを蓄積しました。そして、最終結果が揃ったところで、返答のない無音状態が起きていないか、会話でゲームを適切に進めることができているのかなどの観点から、Opusに評価させました。
やはり、品質的にはOpus 5.8のものが抜群によく、自然な文章でした。次点で31Bでした。ただ、結論としては、「Rinon Detective」に使うには、12Bがゲーム品質としては十分であるという結論に至りました。E4Bでは、そもそも、出力が出てこないことがあったり、キャラクターのセリフの人格を維持できなかったり、同じ内容を反復することがありました。進行不能を避けるための対策スクリプトを別途入れないと、ゲーム進行を成立させるのは難しい状態でした。さらに2Bになると、そのままではゲームを進行させるのが難しい、という結果になりました。
12Bは、6月5日にリリースされた比較的軽量でありながら、大きめのパラメーター数で動かすことを実現したモデルであるため、軽量モデルのE4Bを採用する意味はなくなってきています。そのため、今後の開発は12Bを基準として進めてよさそうだと考えています。
実は担当編集に見せたところ、すべての展開パターンを先に計算しておき、LLMがなくてもプレイできるパターンがあってもいいのではと提案してくれました。様々な分岐があり得るわけですが、それらもすべて事前に計算して作成しておき、音声ファイルだけIrodori-TTSでリアルタイムで作成することで計算時間を短くするアイデアです。これまでのアドベンチャーゲームに近い体験ですが、LLMなしにLLMを利用したかのような体験ができるというものです。
なるほどと思い、さっそく実装しました。会話部分は、最も品質の高いデータを出せるOpus 5.8で作成し、事前に選択式で読み込ませる形にしました。もちろん、スクリプトを用意すれば試せるので、他のLLMで作っても問題ありません。そうすることで、ゲーム体験がどの程度変わるのかを、より迅速に探ることができます。動画のデモ版はそれを採用しています。
「Rinon Detective」はまだ作りかけのゲームで、生成される会話を聞いているだけで、ゲームに没入できるのかを試している段階ですが、相変わらず、AIを使った開発は、技術検証まで含めて手早く進められると感じます。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第161回
AI
わずか3日で停止された新AI「Claude Fable 5」は何がすごかったのか -
第160回
AI
寝不足になるほど面白い ローカルAIと音声合成をつないだら、キャラが普通にしゃべり始めた -
第159回
AI
AIを使える人と使えない人で、とんでもない差が出ると実感した理由 -
第158回
AI
SDXLの次はこれ? アニメ特化のローカル画像生成AI、驚きの実力 -
第157回
AI
AIだけでゲームは作れるのか? Codexに7本作らせて見えた実力と限界 -
第156回
AI
ChatGPTの画像生成AIは本当に最強か Nano Bananaと比べて見えた“弱点” -
第155回
AI
非エンジニアが数百万円級のツールを開発 画像&動画生成AIツールがゼロから作れた話 -
第154回
AI
ChatGPTの画像生成AIが強すぎる AI画像が世界中に氾濫する時代へ -
第153回
AI
ChatGPTの画像生成AIが「Nano Banana」超え? 漫画や動画風カットが実用レベルに -
第152回
AI
Seedance 2.0×AIエージェントでAI動画が激変 “AI脚本家”や“AI絵コンテ作家”との共同作業で、アニメ制作が身近に - この連載の一覧へ








