指示が深いほど回答も深くなる
そのため、さらに改稿するよう指示しました。
<プロンプト>
あまりに直接的な表現が多いので、例えば包容力、もう少しうまく文学的な表現に落とし込んで。書いていないことをもっと想像させるように。
今回は、かなりひねりのある文章になりました。三崎さんは、AIに「あなたは、眠れなくなったこと、ありますか」と聞き、そこに、男性を支えるには自分が力不足なのではないかという思いを潜ませることに成功しています。
さらに、AIも自らの限界を語る場面で、「わたしは雨を、降水確率でしか知りません。濡れた傘の重さも、夜道の暗さも、改札で振り返るときに要る勇気の量も」と言うことで、自らが物理的な存在として男性を支えることができない弱点をうまく示しています。
構成も複雑化し、短篇としては、相当に品のいい、高い水準のものになっています。
https://note.com/kiyoshi_shin/n/ncb55a59bb36a
△「ロールバック」決定稿(筆者のNote)
筆者は、決定稿の段階では、すでにこの文章を人間が書いたのか、AIが書いたのかを見抜くのは、ほぼ不可能であると考えます。
それでもディテールに注目すれば、AI的な特徴を見つけ出せないわけではありません。
例えば、「何も悪くない。何も悪くないことが、一番遠くまで沈む。」「その質問は、口にした瞬間、三人の誰かが必ず濡れる。」「手ぶらの者は、何にでも見えます。強くも、優しくも。」と、決まり文句のようなセリフが、いくつも登場しており、それらは非常に強い印象を与えます。しかし、短篇の中に何度も出てくると、これはこれでまとまりすぎており、AIの文章らしい印象も残ります。
それでも、人間が書いたような少し下手くそな泥臭さをもっと追加してくれと指示すれば、当然それに合わせて文章を修正する力もあると考えられます。もはや、指示をする側の好みと、それが出た結果をどう評価するかという問題でしかない領域に入りつつあると感じます。
ただ、何本も、これ以外に小説を書かせてみてわかってきたのは、Fable 5の抱えている潜在空間は非常に大きく、指示が単純だと、平均値によった、無難なものを書いてくる傾向があるようです。そのため、人間の指示がより詳細で具体的であればあるほど、深いレベルのものを返してくる可能性が高いと考えています。小説もあらすじで計画を立て、各キャラクターについてそれなりのルール設計をして、文体なども最初から指定していれば、最初から質の高い短篇が出てくると思われます。
また、Fable 5とのやり取りを通じて、今までのLLMにはない「冴え」を感じました。それは演出的な冴えにまで至っているとも考えました。
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