懐かしの名作も、話題の新作も。ファミコン世代のゲーム放浪記 第57回
「テイルズ オブ ヴェスペリア」はテイルズで一番好きかも ここからXbox 360ソフトをコンプリートすることになりました
2026年06月12日 19時00分更新
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Xbox 360コンプリートは、ここから始まった
こんにちは。ファミリーコンピュータと同い年、ゲームとガジェットを愛するASCII編集部のオールドルーキー、西川と申します。私の趣味はゲーム収集で、メガCDの全タイトル(116本)とXbox 360の全タイトル(725本)をコンプリートしています。
しかし、なんでまた、Xbox 360の全タイトルをコンプリートすることになったのか。私にとってXbox 360コンプリートへの最初の一歩は、「テイルズ オブ ヴェスペリア」でした。もちろん当時は「よし、Xbox 360ソフトを全部集めるぞ!」などとは露ほども思っていません。
テイルズ オブ シリーズが好きだった身としては、新作が出るなら買うしかない。なのに発表されたハードは、まさかのXbox 360。当時は移植予定も見えておらず、「なぜそこでXbox 360なんだ」と若干Microsoftに苛立ちながら財布を開いた記憶があります。
もっともこの出会いがなければ、Xbox 360だけで遊べる名作にここまで触れることもなかったでしょう。「ブルードラゴン」「ロストオデッセイ」「ライオットアクト」など、振り返ると妙にクセの強い、妙に忘れがたいソフトがたくさんありました。だから「テイルズ オブ ヴェスペリア」には感謝しています。怒っていた相手に感謝する、ゲーム人生はなかなか面倒くさい……。
そんな話題から、今回紹介するのは「テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER」です。AmazonではSwitch版が参考価格6,980円で発売中です(6月12日現在)。
黒髪ロン毛の主人公、ユーリがあまりにもカッコよかった
作品そのものの話に戻すと、私は「テイルズ オブ ヴェスペリア」がシリーズで一番好きです。理由の大きな部分は、主人公のユーリにあります。
テイルズの主人公と聞くと、熱血、正義、仲間、まっすぐな目、拳を握って「行こう!」みたいな人物を思い浮かべがちです。ユーリはそこからかなり外れています。黒髪ロン毛で服も黒。口調は軽いのに、どこか冷めていて、状況を少し離れた場所から見ているような男です。
しかも彼は、法で裁けない相手を自分の手で始末します。当時の日本のRPGで、ここまでダークヒーロー寄りの主人公を見る機会は多くありませんでした。正義を語るだけでは終わらない。きれいごとを飲み込んだうえで、手を汚す。しかもそのあと、いちいち大げさに苦悩を見せびらかさない。この乾いた感じが、まあカッコよかったわけです。
ユーリとフレン、光と闇の距離感がたまらない
ユーリの幼なじみであるフレンも、この作品を忘れがたいものにしています。フレンは王道主人公タイプです。まじめで、正義感が強く、まっすぐで、騎士として秩序の中から世界を良くしようとする。ユーリが影なら、フレンは光。ふたりは同じものを見ているのに、選ぶ道が違います。このズレが「ヴェスペリア」の気持ちよさであり、少し苦いところでもあります。
リマスター版ではフレンが仲間になります。これはこれでうれしい追加要素です。パーティーに入れて戦える楽しさもありますし、当時遊べなかった要素をまとめて味わえるリマスター版の満足度は高いです。現在から遊ぶなら、まずはこちらで問題ありません。画面も見やすく、追加要素も入り、遊びやすくなった「ヴェスペリア」をしっかり楽しめます。
それでもXbox 360版の“仲間にならなさ”が忘れられない
ただ、個人的な好みを言うなら、Xbox 360版の距離感も捨てがたいんですよね。ユーリとフレンが、それぞれの正義を抱えたまま完全には交わらない。仲間として並んで戦う喜びより、別々の場所で同じ時代を進んでいる感じがある。あの少し突き放した味わいは、Xbox 360版ならではのものだったと思っています。最初にXboxで出た理由まで、勝手にそこへ重ねたくなるくらいです。
「テイルズ オブ ヴェスペリア REMASTER」は、遊びやすくなった名作として文句なくおすすめできます。ユーリの黒い服、フレンの白さ、ラピードの渋さ、エステルのやさしさ、リタの勢い。今見てもキャラクターの並びが強い。戦闘も物語も、当時のテイルズらしい楽しさがしっかり詰まっています。
そして余裕があれば、Xbox 360版にも触れてほしいところです。リマスター版でフレンと一緒に戦ったあと、あえてXbox 360版の“仲間にならなさ”を味わう。そんな面倒な楽しみ方をしたくなるくらい、「ヴェスペリア」は思い出をこじらせるゲームです。
私のXbox 360コンプリートは、ここから始まりました。まさかその後、棚が緑色のパッケージで埋まっていくとは当時は思いませんでしたが、人生にはそういうこともあります。
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