5個中2個がデータ通信の信号線が生きていない不良品
でも逆に考えれば、これはメリットがあるのでは?
検証の結果は実に興味深いものだった。テスターの画面を見ていただくと一目瞭然だが、5個のうち3個は「Data Transmission USB 2.0」としてD+とD-がしっかりサポートされている。ところが、残りの2個はデータ通信の項目が無慈悲にもすべて「×」印。
製造上のミスによるショートか断線かは不明だが、完全に電源(VBUS/GND)しか通さない仕様になっていたのだ。一応、5個とも充電だけは可能であったが、これぞまさに激安ガジェットの醍醐味(?)と言えるだろう。
しかし、ここでガッカリしてゴミ箱に放り込まないのが、筆者の提唱する「ガジェット愛」である。今回の購入価格は5個で260円、1個あたりわずか52円。データ通信ができない個体は、本来の価値からすればせいぜい26円程度かもしれない。
だが、視点を変えてみればどうだろう。公衆の充電スポットなどでデータの盗難を防ぐために売られている「USB DATA BLOCKER」という製品がある。これは意図的にデータ線をカットしたデバイスで、なんと商品名が変わるだけで市場では1000円から数千円で取引されているのだ(「充電用USB端子経由のハッキング抑止デバイス「USB DATA BLOCKER」を衝動買いして、さらに考察する」)。
つまり、たった26円(相当)の不良品アダプターが、その「欠陥」ゆえに、数十倍もの価値を持つ高級セキュリティ・ガジェットへと華麗なる転身を遂げたのである。このポジティブな大化けこそが、衝動買いの真の喜びと言わずして何と言おうか。
期待を上回る安さで過去の資産をスマホ時代に蘇らせてくれたType-A 2 Type-C変換アダプター。その副産物として、より高価で価値ある(?)「天然モノのデータブロッカー」まで手に入るとは、夢にも思わなかった。
良品が届けば便利に使い、不良品が混じればセキュリティ対策に回す。この無敵の布陣がある限り、AliExpressでの衝動買いパトロールを止めることは、当分できそうにない。

今回の衝動買い
・アイテム:Type-A 2 Type-C変換アダプター
・購入:AliExpress
・価格:260円(5個)
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第874回
スマホ
1万6000円でAIとの会話が実現できるオーディオグラス「OWNDAYS CONNECT」を衝動買い -
第873回
スマホ
Googleの忘れ物ネットワーク「Find Hub」の実力のほどを秋葉原で実体験! 新トラッカー「amine」を衝動買い -
第872回
AV
IKEAのBluetoothスピーカー用のバッテリーパックを往復3時間かけて1年遅れの衝動買い -
第871回
スマホ
フロッピーの皮を被ったSSDエンクロージャ、懐かしさに負けて衝動買い -
第870回
スマホ
Halliday Smart Glassesを衝動買いも、使い出した日から…… -
第869回
スマホ
240W対応ケーブル一体型チェッカーを衝動買い E-marker通信の“空中分解”を追う -
第868回
スマホ
「組み立てる道具」と「生き残るための道具」の違い Emergency Tool ハントマンライトを衝動買い -
第867回
スマホ
名機たちの「音の魂」をハックする快感! 究極の汎用イヤホン「JPRiDE Model i ANC MK2 QUEST」を衝動買い -
第866回
スマホ
「スマホが充電できる」と錯覚してimutoの単3型“緊急電源”を脊髄反射衝動買い -
第865回
PC
SSDの寿命を診る名医か楽天家か? 検査機能付きSSDエンクロージャを衝動買い - この連載の一覧へ














