「Rokid スマートAIグラス」(以下、Rokid)を衝動買いした筆者。前回(「「Rokid スマートAIグラス」を衝動買い 「Rokidは同じ景色を共有してくれるAIコンパニオンだ」)はその全体像や衝動買いした理由をご紹介した。今回はRokidを24時間365日安心して使うための電源事情をお話したい。
話題のAIグラス、Even G2とRokidの両方を衝動買いした筆者
単純なバッテリー駆動時間ではEven G2が長いが……
前回も触れたが、筆者は先行して発売されたEven G2とRokidの両方を使っていた(「“嫌われない未来”にフォーカスしたスマートグラス「Even G2」を衝動買いしたものの……」)。最終的にはEven G2を家族に譲り、現在はRokidをメインに利用している。
モバイルPCが一般化し始めた1990年代も、スマートフォンが普及した2000年代も、そしてスマートグラスが登場した現在も、常に避けて通れないのはバッテリー駆動時間だ。バッテリー技術そのものが劇的に進化しない限り、根本的な解決は難しい。結局のところ電池の持ちは容量に依存する。そして重量増加が許されないウェアラブルデバイスはその制約を最も強く受ける。
ところでEven G2のスペック上の駆動時間は約2日。一方、Rokidは8~12時間とされている。しかし実際に使ってみると、カメラもスピーカーも搭載しないEven G2でも実感としては1日前後、その両方を搭載したRokidは6時間程度がひとつの目安だろう。
登場初期のプロダクトで重要なのは、製品単体のバッテリー寿命の比較ではない。むしろどれだけ多様な電源供給手段が用意されているかだ。今回はそこにフォーカスしてRokidの周辺機器群をご紹介したい。
基本となるのが専用端子のUSB充電ケーブル
専用の充電式ケースは少々デザインを優先させ過ぎたようだ
まず基本となるのは、製品本体に付属する純正のUSB充電ケーブルだ。専用の3ピン端子を採用しており、Rokidユーザーなら誰もが最初にお世話になるアクセサリーだろう。
しかし、筆者が気になったのは、このケーブルを失くしてしまうと充電手段が大きく制限されることだ。
そこで活躍するのがAliExpressなどで数百円で購入できるUSB Type-C→3Pin変換プラグである。重量はわずか3g。これがあれば市販のUSB Type-Cケーブルやモバイルバッテリーがそのまま利用できるようになる。価格以上の価値がある便利アイテムだ。
続いて紹介したいのがRokid専用の充電式メガネケースだ。
実測238g。度付きレンズを追加している筆者のRokid本体を収納すると約298gになる。正直に言えば決して軽くはない。
しかし3150mAhのバッテリーを内蔵しており、Rokidの運用を大きく支える存在だ。
そしてなにより印象的なのは、その蓋の開けにくさである。
筆者にはSF映画に登場するハイパースリープチェンバーにしか見えない。中で宇宙飛行士でも冬眠しているのではないかと思うほど頑丈に閉じている。筆者の開けにくい自慢のGalaxy Z Fold7よりはるかに上だ。デザイン優先過ぎてちょっとハメを外したようだ。
ケースに収納すると磁石で吸着され、自動的に充電が開始される。ワイヤレスイヤホンのケースに近い感覚だ。
充電端子を露出させることで多様なオプションを可能にしている
特に便利なのが軽量なカプセル電池を付けられる点
Rokidはテンプル終端に充電端子をあえて露出させている。一見すると無骨だが、この構造が後に登場する多彩な充電オプションを可能にしている。
一方、Even G2は充電端子をフレームの左右両端に配置している。両方のテンプルを折りたたむと初めて姿を現すエレガントさだ。普段は見えず美しいが、充電手段は専用ケース中心になってしまう。
このあたりは両社の設計思想と目指すべきゴールの違いがよく表れている。
筆者がRokidの最大の特徴だと思っているのがPower Capsuleだ。
残量が減った時、13gしかないカプセル電池をテンプル終端へ近付けるだけで磁石が吸着し、そのまま追加充電が始まる。強力磁石で落下の心配も少ない。重量バランスも特段悪くはならない。この方式は取り付け方の個性はあるが、昨今、同業の各社で採用が始まりつつある。どこもバッテリーには悩みが多いのだ。
グラスを外す必要もなく、作業や会話を中断する必要もない。
カプセル電池は2本収納でき、専用カプセル充電器と合わせても92gしかない。
Rokidは決して省電力の追求だけで勝負している製品ではない。しかし、さまざまな電源供給手段を組み合わせて運用する思想が徹底されている。
その姿勢にはウェアラブル機器とモバイル機器の両方を知り尽くした開発者の哲学を感じる。別のくだけた言い方をすれば「モバイル機器オタク」とも言えるだろう。歓迎だ!
リバース充電に対応しているスマホならそこからの給電も可
容量が小さいので短時間でサクッと回復できる
そして最後の切り札がUSB有線リバース充電。最近のスマートフォンは他の機器へ給電できる。つまりスマホそのものがRokidのいざという時の予備バッテリーになる。
リバース充電中にRokidへ質問してみたところ、画面の電池アイコン内に雷マークが表示されていた。リバース充電もうまくいっている。ユーザーにも状態がわかりやすい。カプセル電池も同様だ。
Galaxy Z Fold7を使った実験では、Rokidは39%から89%まで回復した。一方、Galaxy Z Fold7側の減少は69%から64%。わずか5%だった。
厳密な測定ではないが、わずか十数分足らずの内にRokid本体が50%充電できるのなら緊急時だけでなく日常運用でも十分に実用的な結果と言える。
ここで本体210mAh、充電ケース3150mAh、カプセル充電器750mAh、カプセル電池300mAh×2を合算し、一般的な充放電ロス35%を考慮して試算してみた。実効容量は3135mAhとなり、本体内蔵分を除いても約13.9回の追加充電が可能になる。
1回の動作時間を6時間とすると理論上は約84時間、1日24時間フルに働いても約3.5日分に相当する計算だ。普通のケースでは1週間の国内外の出張や旅行なら楽勝だ。
もちろん理論値ではあるが、スマートグラスとして見れば極めて恵まれた電源環境と言えるだろう。
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