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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第231回

市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 4月18日~4月24日

情シスが答えた“AI時代に生き残るSaaS”の条件/企業の「攻めのDX」シフトが鮮明に/老後の所得中央値は月額32万円、ほか

2026年04月27日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2026年4月18日~4月24日)は、国内企業におけるDX推進やIT予算などの最新動向、情シス担当者に聞く「AI時代のSaaSの見直し」や「生き残るSaaSの条件」、9割が「生産性向上を実感」するITエンジニアの生成AI利用実態、年金と企業給付による退職後所得の変化についてのデータを紹介します。

[DX][IT戦略] DX推進の目的がいよいよ「攻め」へシフト、内製と外部委託の使い分け模索が顕著に(JUAS:日本情報システム・ユーザー協会、4月24日)
・DX目的の最多は「既存事業のコスト削減」だが前年比6.0ポイント減の36.1%、「新規事業進出」など攻め項目が増加
・IT予算は増加傾向だが円安・人件費高騰で「バリューアップ予算」比率は横ばい、約7割が内製と外部委託の使い分けを志向
・セキュリティ対策は12年間で重要度が上昇も、インシデント発生を前提とした復旧訓練の整備は遅れ

 国内の東証上場企業などを対象とし、957社が回答した「企業IT動向調査2026」より。DX推進の目的は依然「既存事業のコスト削減」が最多だが、前年比6ポイント減の36.1%まで縮小。一方で「既存事業の収益力向上」(20.3%)や「新規事業・新たな事業領域への進出」(13.5%)が増加しており、「守りのDX」から「攻めのDX」へシフトしつつある状況が明白に。IT予算については、増加傾向にあるものの、円安/人件費高騰/既存システム維持などの“不可避コスト”要因が膨らみ、成長投資への予算比率は横ばいにとどまる。システム開発のQCD(品質/予算/工期)順守状況も悪化しており、その対策として約7割が「内製と外部委託の使い分け」を目指している。セキュリティ対策については、経営課題としての重要度が上昇し続けているが、復旧手順整備や想定訓練といったレジリエンス対応は十分に浸透していない実態も明らかになった。

 ⇒ こうした結果をふまえて、JUASでは「これからのIT部門に求められる役割」は(1)DX・生成AI時代の企業変革リーダー、(2)コスト・データ・人の最適化マネジャー、(3)事業レジリエンスの全社リーダーの3つであると提言しています。

DX推進の目的。「守りのDX」(コスト削減など)から「攻めのDX」(新規事業創出、顧客サービス価値向上など)へのシフトが見て取れる(出典:JUAS)

システム開発の内製/外部委託方針。両方のハイブリッドを志向する企業が最多の44.0%(出典:JUAS)

IT投資で解決したい中期的な経営課題/現在直面している経営課題の変化。「セキュリティ強化」は継続的に順位を上げている(出典:JUAS)

[AI][SaaS] “SaaSの死”は本当か? 6割超の企業が「ガバナンス系SaaSはAIでは代替できない」と実感(エイトレッド、4月22日)
・AIの進化を受けて「SaaSの見直し」の必要性を感じる企業が8割超
・見直し対象の上位は「プロジェクト管理・タスク管理」「営業支援(SFA)」
・電子契約、監査対応などのガバナンス/コンプライアンス系SaaSは「AIでは代替できない」が6割超

 企業の情シス/DX推進/経営企画担当者を対象に実施した「AI時代に生き残るSaaSの条件に関する実態調査」より。AIの進化を受けて「SaaSの見直しを実施/検討している」「その必要性を感じた」という回答は合計で80.4%に上る。見直し対象の上位は「プロジェクト管理・タスク管理」(45.3%)と「営業支援(SFA)」(44.2%)。一方で、ガバナンス/コンプライアンスに関わるSaaS(ワークフロー、電子契約、監査対応等)については、63.5%が「AIでは代替できない・すべきでない」と回答。「AIの判断ミスが重大なリスクにつながる」(52.9%)、「承認・決裁には人間の判断と責任が必要」(50.0%)といった理由が上位を占めた。AI時代になっても手放せないSaaSの条件としては、「AI連携機能」(43.9%)と「セキュリティ基準の高さ」(40.2%)が重視されている。

 ⇒ AIの進化に伴って“SaaSの死(SaaS is Dead)”という議論もさかんですが、業務領域によって「AIに任せられる/任せられない」の判断が必要、という結果です。なお、見直し対象として上位の「プロジェクト管理・タスク管理」と「営業支援(SFA)」ですが、同時に「AIでは代替が難しいSaaS」でも上位に挙がっており、単に利用企業が多い可能性もあります。ちなみに、AI連携機能を持たないSaaSについては、70.1%が「今後淘汰される」と回答しています。

AIの進化を受けて「SaaSの見直しを実施・検討している」企業は6割超、「見直しの必要性を感じている」まで含めると8割に(出典:エイトレッド)

「見直し」対象となっているSaaSカテゴリの上位は「プロジェクト/タスク管理」「営業支援(SFA)」「Web会議/オンライン商談」など(出典:エイトレッド)

「AIでは代替が難しい」SaaSカテゴリの上位は「チャット/コミュニケーション」「Web会議/オンライン商談」「プロジェクト/タスク管理」(出典:エイトレッド)

7割が「AI連携機能を持たないSaaSは今後淘汰されていく」と回答(出典:エイトレッド)

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  • 角川アスキー総合研究所