このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

石川温のPCスマホニュース解説 第260回

ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗

2025年11月17日 07時00分更新

文● 石川温

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ドコモは住信SBIネット銀行の活用が課題に

 NTTドコモは、この10月に住信SBIネット銀行を傘下に収めたばかりだ。住信SBIネット銀行では2026年5月にステージ制の優遇プログラムを改定すると発表があった。NTTドコモによる買収直後の改定ということで「さっそくNTTドコモによって改悪された」という声があるようだが、実際は買収前から改定の準備が進んでいたようだ。

 NTTドコモとしては、今後、ようやく手に入れた銀行をいかに「ドコモユーザーを囲い込むために生かすか」という知恵を絞っていくことになるだろう。前田社長は「法人向けクレジットカードをつくる」と明言しているが、まずは住信SBIネット銀行が強い法人ユーザーに向けた施策が見えてきそうだ。

 ソフトバンクやKDDIが金融を絡めた料金プランを強化するのは「顧客の囲い込み」に他ならない。NTTドコモとしても、これまでクレジットカードによって顧客を囲い込んできたが、マネックス証券に加えて住信SBIネット銀行が傘下に入ったことで、より多様な囲い込みができるようになった。

 ネットワーク品質でユーザーが流出していくなか、住信SBIネット銀行でいかにユーザーを囲い込むかが、いまのNTTドコモの経営課題と言えそうだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部

注目ニュース

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン