居住性と利便性を高めたインテリア機能
車内で目を惹くのが10.4インチの縦型タッチディスプレイ。従来は横型の小さな画面だったので、これはかなり大きな変化だ。ナビゲーションはスマートフォンのマップ機能を用いるが、Appleはもちろん、Androidもワイヤレス接続できるようになった。
感心したのは、クルマとしての使い勝手の良さが考えられているという点。昨今、大型ディスプレイですべてコントロールしようとする方向に進んでいるが、ルノーはエアコン操作に関しては物理スイッチを残している。
メーカーからしたら、タッチディスプレイで制御した方が先進的に見えるし、何よりコスト低減につながる。だが温度変更をする度に、いちいち画面を呼び出して……というのは、使えばわかるが、かなり煩雑だ。
そして、センターコンソールを半二階建て構造にしているのも好印象だ。やや寝そべって座るスポーツカーならともかく、SUVやコンパクトカーのような、比較的姿勢を起こして着座する車種の場合、二階建て構造は見た目こそよいものの、下段側のアクセスが猛烈に悪い。そこにUSB Type-Aコネクターを配置しようものなら、デザイナーや開発責任者は、本当に普段からクルマを運転しているのか? と思うほどだ。
だが、ルノーは上側にUSB Type-Cを2系統配置し、ユーザビリティを高めている。見てくれも大事だが、使い勝手はもっと大事だ。
インテリアもオシャレになった。エスプリ アルピーヌグレードは、アルピーヌのロゴ入りのバイオスキン&ファブリックのコンビシート(運転席は電動)のほか、トリコロールのオーナメント、アルミペダル、そしてブルーグレーのダッシュボードインサートが設けられている。
エスプリ アルピーヌとの価格差が20万円のテクノ仕様は、グレーを基調としたインテリアでシートはファブリックで電動シートではない。20万円という価格差は絶妙な値付けであると感じた。
キャプチャーの美質である使い勝手の良さはそのまま活かされている。後席は前後16cm移動可能で、最も下げた状態なら22cmのニースペースが得られる。感心したのは、後席にUSB Type-Cソケットのほか、エアコン送風口を設けている点。コンパクトSUVで後席にもエアコン送風口を設けるのは珍しい。
ラゲッジスペースは、マイルドハイブリッドなら536リットルとクラストップ。E-TECHなら440リットルと、必要にして十分すぎる容量を確保している。

この連載の記事
-
第588回
自動車
都市型SUVの新定番! マツダ「CX-30」がもたらす新感覚ドライブ -
第587回
自動車
死角ナシの万能SUV! マイチェン版トヨタ「カローラ クロス」に乗ってわかった“しっとり快適”の正体 -
第586回
自動車
今しか選べない“熱き”ガソリンSUV!マセラティ「グレカーレ」の真髄を体感する -
第585回
自動車
カッコいいワゴンは健在! アウディの新型「A5 Avant」は流麗なデザインと広々ラゲッジでアウディらしさを継承する -
第584回
自動車
「VEZEL e:HEV RS」は後出しズルい! と言いたくなるほどイイクルマだった -
第583回
自動車
採点方式が激変の2025年「日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終決戦! 10ベストカー試乗会レポ -
第582回
自動車
BMW「X2 M35i」はカジュアルさとBMWらしさが高次元にバランスした日本にピッタリなSUV -
第581回
自動車
フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」はオトナになったボーイズたちに勧めたいぜいたくな1台 -
第580回
自動車
プジョーの新SUV「3008」はデザインでの購入者が大半! リゾートホテルのような内装とクーペフォルムが牽引する -
第579回
自動車
新型「プレリュード」は今のHondaを凝縮したハイブリッドスポーツの前奏曲だ! -
第578回
自動車
クラウン・エステートで車中泊体験! 「おもてなし」シートで過ごすぜいたくなドライブ体験 - この連載の一覧へ









































