広々とした後席と工夫された荷室空間
後席は前後140mmスライド可能で、一番後ろまで下げれば足元はかなり広い印象を受けます。USB Type-Cのサービスレセプタクルも用意されています。
荷室は後席をたたまない状態で455リットルと大容量。背もたれを倒せば1281リットルに増えます。床面の下にも収納スペースはありますが、タイヤが丸見え状態なのでプライバシートレイを置くのが使い道かなと。一方でフタを止めるストッパーがあるのはとても便利。後席を倒した際、床面はかなりフラットになるのも美質です。
エンジンは最高出力116馬力、最大トルク20.4kgf・mを発生する1L 3気筒ターボ。ガソリンはハイオクのみです。発生した動力は7速ATを介して前輪に伝えられます。ちなみに四輪駆動モデルの用意はありません。
想像以上に軽快でしっかりとした走り
走り始めて驚いたのは、1L 直3ターボエンジンとは思えない静かさと振動の少なさ。軽自動車は言うまでもなく、ライバルたちのエンジンと比べても静か。パワーはそれなりなので、踏み込むと相応の音を奏でるけれど、都心部の一般道で不満を覚えることは少ないでしょう。もちろん高速道路も必要にして十分といったところ。
次に驚いたのは、ゴルフほどではないにせよ、ボディーのシッカリ感があるので想像以上にキビキビしたハンドリングが楽しめるということ。やや硬質なVWらしさと相まって、若々しいクルマだと感じました。
【まとめ】誰が乗っても大きな不満を覚えない
最大公約数的な良さ
VWらしい「誰も大きな不満を覚えない最大公約数的な良さ(万人向けの良さ)」が、Tクロスにもありました。最大公約数的といっても無個性ではなく、キッチリとクルマの楽しさを伝えてくれます。「初めてのクルマにピッタリ」というには少し高額ですが、最初からイイクルマが欲しいという人には好適でしょう。
また、コンパクトSUVにダウンサイジングしたい人にもオススメです。気負いのない自然体の良さと相まって、毎日乗るのにピッタリの1台と感じました。さすがフォルクスワーゲン(国民車)と、感心しました。

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