USB-IF認証ロゴの扱い
Club3Dのケーブルはパッケージにもプラグにも堂々と「USB-IF認証ロゴ」を表示している。一方、Ankerは認証を通過しているにも関わらずロゴを印字していない。調べてみると、USB-IFの認証を取得してもロゴ表示は義務ではなく、メーカー判断で省略可能である。
ブランド価値をロゴで補強するか、強い自社ブランドを全面に出してシンプルな外観を重視するかは各社の戦略の違いと考えられる。
【オマケ枠】新幹線型プラグのUSBケーブル
temuでたまたま見つけた240W対応という「新幹線型USBケーブル」もそのデザインを気に入って衝動買いした。クロームカラーのプラグが新幹線のノーズデザインになっており、見た目は強烈なインパクトである。しかし実測するとE-Markerは非搭載、対応は60W止まりだった。
プラグサイズが大きすぎて、マルチポートUSBアダプターの隣のポートと干渉し、刺さらないという実用面での問題も確実にありそうだ。完全に「ネタ枠」であり、話題性は抜群だが実用性は乏しい。240Wなんてハナから当てにしてはイケないのだ。
普通の人の実用ケーブル選び
最後に、普通の人のケーブル選びについて整理しておきたい。スマホ・タブレットでは今のところは20W~60W対応で十分だ。モバイルPCでも45W~100W対応で安心。240W級のケーブルはごくごく一部のゲーミングノートなど特殊用途のデバイスのみだろう。それでもオーバースペックだ。
つまり、ほとんどの普通のユーザーは「100W対応・信頼できるメーカー品」で十分である。240Wはオタクとギークのロマンであり、検証やジョークとして楽しむ存在と考えるのが現実的なのかもしれない。今回の衝動買いでわかったことは、「数字に惑わされるな。普通の人は安心できる100Wケーブルを選べばよい」というシンプルな事実である。
240Wという数字や変態デザイン、ケーブル被膜の素材やカラーなどに惹かれて買ってみるのも楽しいが、最終的に日常を支えてくれるのは、堅実で信頼できるメーカー製の100W対応ケーブルで十分なのだ。

今回の衝動買い
・自称240W USBケーブル・1.2m緑色/Cloud3D USB-IF認証済み240Wケーブル・2m赤色
・価格 1114円/2280円
T教授
日本IBMでThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。

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