2025年6月に独Black Forest Labsが画像生成AI「FLUX.1 Kontext [dev](以下、Flux Kontext)」をリリースしてから、その解釈能力の強力さが知られるようになってきました。様々な画風に変換できるなど、単体でも応用範囲は広いのですが、専用LoRAを使うことで、さらに高い精度で様々な表現を発揮します。筆者が独自に制作したLoRAの作り方も含めて、その可能性の一端をご紹介します。
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「Google Earth」のLoRAが話題に
7月に話題になったのが、イギリス人デザイナーのイスマイル・セレイト(Ismail Seleit)さんが公開した、Google Earthのスクリーンショットをリアルにする「RealEarth-Kontext LoRA」です。衛星写真の解像度には限界があるため、LoRAで細部を描き込み、画像のリアリティーを増すというものです。LoRAは画像生成ツール「ComfyUI」用のワークフローとセットで無料公開されています。
もちろん、このLoRAは推定によって細部を作っているにすぎず、現実の風景を正しく描写できているわけではありません。都庁を使った作例でも、新宿公園に欧州風の建物が建っていたり、ビルの形状が変わっていたりといったことが起きています。しかし、元の場所の雰囲気を楽しむという目的では、手軽に扱えます。
また、時間帯を昼から夜に変更できる「NightEarth-Kontext LoRA」も公開されています。これを動画AIと組み合わせると、簡易的に昼から夜への変化といった雰囲気の動画を作ることもできます。
▲昼から夜に切り替わる動画の作例。動画はMidjourney Videoで作成。各場所の細かいディティールはおかしいが、雰囲気は出ている

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