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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第519回

アメ車は日本では売れない!? 超快適な王様SUV、キャデラック「エスカレード」を体験せよ!

2025年05月05日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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【エスカレードが魅力的な理由 3】
3列目がオマケじゃない! 超広い室内

 室内に入った途端、日常の些細な悩みはすべて吹き飛ぶことだろう。というのも「エスカレードでなければ得られない」おもてなしの世界が拡がるから。シート配列は2-2-3の3列。まずは3列目から見てみよう。

 SUVの3列目シートは、大抵オマケみたいな扱いを受ける。だがエスカレードは違う。キチンと大人が座れるのだ。アメニティとしてはUSB Type-Cの充電端子を両サイドに配置する。驚いたのは、各席に近接したスピーカーを用いて、座席間の会話をサポートする機能も備えていること。車内がうるさいからスピーカーとマイクを使わないと会話できない、というわけではない。それくらい車内が広いクルマなのだ。

 2列目のキャプテンシート(左右が独立している座席)は、ライバルのショーファーSUVと比べると質素に見える。確かにオットマンなどの快適装備はないし、シートレザーの質感も若干落ちるようにも感じた。だが、座面が広いので不満はない。

 運転席・助手席のヘッドレスト反対側にはモニターがあり、HDMIをつなげれば映像やゲームが楽しめる。再び驚かされたのは、本機にはワイヤレスヘッドホンが2個ついてくること。自分のワイヤレスイヤホンをカバンから出さなくても、クルマに乗ればBluetooth接続で映画や音楽が楽しめるのだ。

 運転席に座ると、4Kテレビの2倍の高精細度という湾曲型OLEDディスプレイが目に飛び込む。そのサイズなんと38インチ! 確かに綺麗な画面で実に見やすい。運転席まわりで驚いたのは極太のセンターコンソールに、冷蔵・冷凍庫を備えているところ。後席の偉い人が冷えたビールやワインを楽しむためには必須装備といえる。

 ナビは輸入車に多いゼンリンの地図。日本語音声入力に対応していない、あいまい検索が弱いなど、ちょっと使いづらかったのも事実。スマホナビを利用したが、残念ながらワイヤレス接続はできないものの、きちんと動作した。

 さらにアメリカの雄大さを感じさせるのは、7名すべてが乗車した状態でもラゲッジスペースは722Lの容量を確保しているということ。3列ミニバンや3列SUVで、ここまで荷室があるクルマを筆者は知らない。さらにシートをたためば2065Lというからおそれ入る。しかも、荷室のリモコンスイッチで2列目と3列目を倒すことができる。使い勝手の点で、このクルマに並ぶモデルはあるのだろうか。

【エスカレードが魅力的な理由 4】
「ゆとり」を覚える極上のフィール

 低速域では乗り心地に粗さが見え、突き上げや横揺れを感じるが、速度域が上がるとそのような不満は解消され、ショーファードリブンらしい乗り味が待っている。さすが高速巡航がメインのクルマだ。感心したのはクルマそのもののノイズレベルが低いこと。V8エンジンに代表されるクルマ自体が発する音はほとんど聴こえず、むしろロードノイズが目立つくらいだ。

 それゆえか、カーオーディオは24チャンネル36スピーカーで構成するAKG「スタジオリファレンスシステム」が搭載され、実際に活きてくる。これらのシステムはリッチな驚きを奏でたことをご報告しておきたい。

 運転フィールを一言で語るなら「ゆとり」だ。走る、曲がる、止まるの動きがゆったりしていて、それが「ゆとり」と感じさせる。もちろんハイパワーに任せての走りもできるが、エスカレードには似合わない。自動車専用道で左車線をクルージングこそ本機の活きる道だ。ADAS(予防安全・運転支援システム)もシッカリ装備しているので、ロングドライブは実に快適だ。

 なにより、堅牢なボディーに守られているという感覚が得られるのも特筆すべき点。驚くほどドアは分厚く、多少の段差でも車体はミシリともしない。これなら万が一の時でも安心だ。その点も含め、ショーファーSUVでなければ得られない世界が、エスカレードにはある。

【まとめ】ドライバーもパッセンジャーも満足させる
真のショーファーSUV

 グローバリゼーションが進んだ現代において、クルマのお国柄を感じにくくなってきた。だがエスカレードは今のアメリカをドライバーに伝える貴重な存在。大味な部分は確かにある。だが真の豊かさ、余裕とは何だろうか。それは大きさだ。何より欧州のショーファーSUVよりも大きなサイズで、それよりも安価なエスカレードは、絶対的価格は高いとはいえ、触れれば触れるほど1800万円がバーゲンプライスに思えるから不思議だ。

 このクルマは人を選ぶし、経済的に手に入れることができない人も多いかもしれないが、もし乗る機会があったら体験してみてほしい。シートに体をあずけ、目をつぶればそこはアメリカだ。

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