このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

日本オラクル・三澤社長「日本のためのクラウド、お客さまのためのAI」戦略を語る

ホンダ、NRI、富士通も登壇 「Oracle CloudWorld Tour Tokyo」基調講演

2025年02月14日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「Oracle CloudWorld Tour Tokyo」で対談する、日本オラクル 取締役 執行役 社長の三澤智光氏、本田技研工業 サプライチェーン購買本部 本部付 サプライチェーン改革 LCA/RC調達領域責任者の大澤裕一氏

 日本オラクルは2025年2月13日、東京でカンファレンスイベント「Oracle CloudWorld Tour Tokyo」を開催した。オープニングキーノートでは、同社社長の三澤智光氏が本田技研工業(ホンダ)など顧客3社と対談。また、来日した米オラクルのグローバルCIO兼EVPのジェイ・エバンス氏が、AIを中心とした戦略を示した。

米オラクル グローバルCIO兼EVPのジェイ・エバンス(Jae Evans)氏

「日本のためのクラウド、お客さまのためのAI」戦略を推進

 Oracle CloudWorld Tour(OCWT)は、オラクルが世界の主要都市で開催するイベントシリーズだ。2025年は21都市での開催が予定されており、日本は5番目の開催となった。

 会場に集まった顧客やパートナーを前に、三澤氏は、日本市場における現在の重点施策を「日本のためのクラウド、お客さまのためのAI」と説明する。1年前のOCWT Tokyoでは、米本社からCEOのサフラ・キャッツ氏が初来日し、日本市場に「10年間で80億ドル(およそ1.2兆円)以上」の投資を行うと約束した。すでにこの投資はスタートしており、その一環として日本国内に24×365の対応を行うクラウドオペレーションセンターを設立している。

 グローバルCIOのエバンス氏は、AIにフォーカスするかたちでオラクルの戦略を説明した。「オラクルの差別化ポイントは、ミッションクリティカルなデータ全体にわたって完全なソリューションを提供できること」であり、「顧客のビジネス、機能、業界と完全に統合されているため、顧客はビジネスの成功に集中できる」とエバンス氏は語る。

 Oracle Cloudの魅力について、三澤氏は「最後発、だが最先端」と表現する。「世界最高速のAI基盤、ハイパースケーラーの垣根を越えるマルチクラウドソリューション、コンパクトなデータセンターテクノロジによる専用クラウド、これらを基盤としてAIで拡張されたビジネスアプリケーションなど、他社とは違った特徴を持っている」と強調する。

 エバンス氏は、「クラウドの移行では“選択肢”が重要。オラクルは、そのための柔軟性を提供する。これにより、顧客は自社ニーズに最適な選択ができ、妥協のない統合性と相互運用性が得られる」と述べた。

 こうしたOracle Cloudの特徴は、AI時代において特に重要になるという。

 エバンス氏は、「OracleのAIへのアプローチにおいてユニークな点は、堅牢なインフラからデータ、モデル、幅広いスマートアプリケーションスイートまで、すべての要素にAIが組み込まれている」点だとする。その一例として、日本でも前日に発表されたFusion ApplicationsのAIエージェントでは「複雑なタスクを処理し、より少ないリソースでより多くのことが実現できる」と語った。

Oracle Cloudでは、インフラからアプリケーションまですべてのレイヤーでAIを組み込んでいると紹介した

NRIのソブリンクラウド、新たに金融業向けAIプラットフォームも発表

 三澤氏は、オラクルの顧客である野村総合研究所(NRI)、富士通、ホンダの3社を招いて対談した。

 最初に登場したのはNRIだ。NRIは、国内初稼働となる「Oracle Alloy」を自社データセンターに導入し、顧客向けのパブリッククラウドサービスを提供しているAlloyオペレーター(運用者)である。

NRI 常務執行役員 IT基盤サービス担当 マルチクラウドインテグレーション事業本部長 兼 NRIセキュア 会長の大元成和氏(右)

 NRIの常務執行役員でNRIセキュアの会長も務める大元成和氏は、同社ではパブリッククラウド活用の取り組みを2010年ごろにスタートし、2020年には世界で初めて「Oracle Cloud Infrastructure(OCI) Dedicated Region」を導入したと振り返る。

 そして2024年4月には、Alloyを自社データセンターに導入し、パブリッククラウドサービスの提供を開始した。大元氏は「経済安保、デジタル主権の要件に注力し、ガバナンスやセキュリティの確保を重視する金融業界など、さまざまな企業の選択肢になる」と、その特徴とターゲットを説明する。同年12月には、GPUを導入したAI実行環境も整備している。

 NRIは同日、新サービスとして、Oracle Alloyを活用した機能を含む「NRIデジタルトラスト(仮称)」、そして金融業界向けの「NRI金融AIプラットフォーム(仮称)」を発表した。

 NRIデジタルトラストは、OCIを基盤にNRIセキュアの高度な技術を組み込んだサービスで、安全にDXを推進できる点が特徴。Alloyを活用した機能として、IT基盤構築とセキュリティ運用を統合した「セキュリティビルトインクラウド」、セキュリティを標準実装した「セキュア開発プラットフォーム」、24時間365日の脅威監視と迅速な対応を実現する「サイバーフュージョンセンター」がある。

 NRI金融AIプラットフォームは、NVIDIAの「H100」GPUを使った高性能なAI実行環境。Cohereとの協業を通じてRAGの構築、ファインチューニングなどを施しているという。これにより、たとえば「生成AIと従来の営業支援ツールを組み合わせて実業務で運用可能なレベルに引き上げることができる」と大元氏。

 提供開始時期については、NRIデジタルトラストの3コンポーネントは2025年上期より順次提供、同じく2025年上期にNRI金融AIプラットフォームも提供開始予定としている。

「NRI金融AIプラットフォーム」の特徴(NRIセッション資料より)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

  2. 2位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  3. 3位

    TECH

    二酸化炭素を資源に変える新触媒、新しい合金を電気で合成

  4. 4位

    デジタル

    ヤマハ、RTX1300の「ひかり電話アダプターモード」を解説する無料ウェビナーを10月15日に開催

  5. 5位

    サーバー・ストレージ

    「身代金を払えば復元できる」は過去の幻想――約束を守らない攻撃者と変容するランサムエコシステム

  6. 6位

    sponsored

    乱立する文書管理をBoxに統合へ、オークネットは基盤整備で「AIをビジネスの武器にする」

  7. 7位

    sponsored

    ルールは作ったが… 現場の「勝手にAI利用」が止まらない! どうやったら防げた?

  8. 8位

    ソフトウェア・仮想化

    Microsoft IQとは? AIエージェントが必要とする理由は? マイクロソフトの担当幹部が解説

  9. 9位

    IoT

    フィジカルAI時代を見据え、NTTドコビジがNaaS基盤を強化 数万台のIoTデバイスをセキュアに管理

  10. 10位

    デジタル

    Zscaler Internet AccessのIKEv2接続例 ヤマハRTX1300でZIA経由の冗長IPsec VPNを構築する方法

集計期間:
2026年09月22日~2026年09月28日
  • 角川アスキー総合研究所