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Fusion Applications内で組織に応じたインテリジェンスな自動化を支援

オラクル、AIエージェントビルダーも“追加コストなし”で提供

2025年03月20日 18時00分更新

文● 大河原克行 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 米Oracleは、AIエージェントビルダーである「Oracle AI Agent Studio」を発表した。

 「Oracle Fusion Cloud Applications Suite」の機能として提供され、同SaaSに組み込まれている50以上のAIエージェントをベースに、顧客やパートナーが独自のAIエージェントを構築できる。ファイナンスやHR、サプライチェーン、サービス、セールス、マーケティングといった幅広い領域において、AIエージェントによるワークフローの自動化や効率化を図ることが可能だ。

 AI Agent Studioは、4月後半以降に日本語対応予定。追加料金なしで利用できる。

 同社のOracle AI担当グループ・バイスプレジデントのミランダ・ナッシュ(Miranda Nash)氏は、「企業全体にわたるAIエージェントをカスタマイズ・拡張することで、エンタープライズアプリケーションを進化させられる。それにより、業務の効率性を高めて、ビジネスのパフォーマンスを最大化できる」と述べた。

米Oracle Oracle AI担当グループ・バイスプレジデント ミランダ・ナッシュ(Miranda Nash)氏

業務フロー内に組み込まれたAIエージェントをカスタマイズ

 2025年2月、Oracleは、Fusion Applicationsにシームレスに組み込まれ、追加料金なしで利用できるAIエージェントを提供開始した(参考記事:オラクルもAIエージェント提供開始、「アプリ組み込み型」「追加料金なし」戦略)。

 今回のAI Agent Studioの追加により、従来のAIエージェントの活用とともに、あらゆるタイプのAIエージェントを構築し、実装できるようなる。業務フロー内で、AIエージェントが自然言語を介して処理を実行して、意思決定のためのガイドやアドバイスを提示して、複雑なワークフローを自動化する。

Oracle Fusion Applicationsに組み込まれるAIエージェント

 AI Agent Studioでは、Fusion ApplicationsのビジネスオブジェクトとLLMを組み合わせ、さらに、ドキュメントやツール、プロンプト、APIなどを追加することで、同SaaSのパッケージ化されたAIエージェントをカスタマイズ・拡張することができる。

 LLMは、LlamaやCohereといったFusion Applicationsに最適化されたものだけではなく、業界固有LLMやカスタムLLMもプラグインすることができ、必要に応じて切り替えることが可能だ。

 組織内のナレッジでAIエージェントのインテリジェンスを強化するには、「ナレッジストアツール」を利用する。Oracle Database 23aiのベクトル検索機能「Oracle AI Vector Search」によって非構造化データにも対応可能だ。「出張規定や給与規定、標準手順書など、あらゆる非構造化データを活用でき、チャット体験にも反映される」とナッシュ氏。

ナレッジストアツール

 さらに、複数のAIエージェントをオーケストレーションして、エンドトゥエンドのビジネスプロセスを実行させることで、複雑なワークフローにも対応するという。「個々のロールベースのAIエージェントだけでなく、“AIエージェントチーム”を編成することで、メンテナンスや製品コンフィグレーション、新入社員の入社プロセスのサポートといった複雑なシナリオを、シンプルな処理で実現できる」(ナッシュ氏)。

マルチエージェント・チームの構築

 もちろん、AI Agent Studioで設計されたAIエージェントは、外部のサービスやAPIとも連携することが可能で、GmailやTeams、Slackのほか、サードパーティーのAIエージェントともつながる。

 なお、すべてをAIエージェントで自動化するだけではなく、“人による判断の介入”をワークフローに組み込むこともできる。例えば、電子メールの送信やレコードの更新などの重要なアクションを実行する前に、人による承認を要求するなど、自動化と人的監視のバランスを調整して、コンプライアンスやビジネスポリシーに柔軟に対応する。

人による判断の介入

Fusion Applicationsのセキュリティも維持、事前定義済みのテンプレートも

 外部へのアクセスやドキュメント管理など、すべての段階において、「Fusion Data Security」による保全が行われるのも特徴のひとつだ。常に最新のFusion Applicationsのセキュリティ構成やポリシー、アクセス制御が適用され、安全なフレームワーク内で動作するAIエージェントを構築、デプロイできる。

 本番環境に実装する前には、ワークフローやAIエージェントが正しく機能しているかどうかを検証して、LLMの挙動を確認する機能も組み込まれている。

 さらには、見積や返品注文処理、シフトスケジューリングなど、さまざまなビジネスシナリオに対応した事前構築済みのテンプレートも用意される。このテンプレートはオラクル社内で利用されているものを展開しているという。

事前構築済みテンプレート

 ナッシュ氏は、「企業全体で利用するFusion Applicationsのデータに対して、LLMが(同SaaS)と同じセキュリティレベルでアクセスし、活用できるのがAI Agent Studioの強み」と強調。さらに、「オラクルは信頼されるAIパートナーになることを目指しており、AI Agent Studioは、それを実現するための機能のひとつになる」と位置付けた。

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