青い日記帳の推し丸アート 第40回

丸の内で出会う、“今”を感じ取れる若きアーティストたち渾身の作品

文●中村剛士

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高田マル「わたし」「聞き做し」

高田マル「わたし」「聞き做し」

 JR「東京駅」地下道より直結、丸の内線の改札を出てすぐの絶好のロケーションに位置する行幸地下ギャラリー。丸ビルと新丸ビルの間にある、広々とした地下通路の両脇に設けられた全長220mのギャラリースペースです。

 行幸地下ギャラリーでは、絵画・写真・現代美術などのアート展示から、ポスターパネル展示、映像、立体物の展示のほか、東方神起GALLERY 「Road to TOMORROW」やお宝鑑定士として人気の北原照久氏のコレクション展など多彩な展示が展開されてきました。

 現在、行幸地下ギャラリーでは「Window Gallery in Marunouchi from AATM vol.2」が、2025年1月26日(日)まで開催されています。ここでは今春行われたアートアワードトーキョー丸の内2024(AATM2024)で、見事グランプリを受賞した高田マル氏と三菱地所賞受賞者の朝井彩華氏による新作が展示されています。

Window Gallery in Marunouchi from AATM vol.2

「Window Gallery in Marunouchi from AATM vol.2」が開催中

 高田マル氏と朝井彩華氏に関してはこちらの記事で画像やアーティストのことばとともに紹介してあります。

まだ無名でもこれからきっと来る! 未来のトップアーティストが自身の言葉で語る 「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2024」 https://lovewalker.jp/elem/000/004/198/4198382/

 アーティスト自身による今回の展示に関するステイトメントや作品の展示風景をご紹介します。

高田マル(AATM 2024グランプリ)
出展作品:「わたし」「聞き做し」

高田マル「わたし」「聞き做し」

高田マル「わたし」「聞き做し」

アーティストステイトメント
「人間はなぜ、いまだに絵を描き、絵を見せ、絵を見ることを欲するのか。絵をめぐる人間の原初的な衝動や欲求を探るうえで、「絵画」を物質的なひとつの形式ではなく人と人のあいだで起こる由来事として捉え、ごく個人的な描写と記述、公の場におけるそれらの伝達と誤読のなかで何が起こっているのか実践を通して考えている。

言説としての「絵画」は移り変わっていくが、絵を描く行為はどこまでもいつまでも私的だ。私はその私的さに付き合い続けている。」

高田マルさん

高田マルさん

朝井彩華(AATM 2024三菱地所賞)
出展作品:「Doomsday records」

朝井彩華「Doomsday records」一部
朝井彩華「Doomsday records」一部

朝井彩華「Doomsday records」一部

アーティストステイトメント
「架空の存在したかもしれない文明を創造し、土化の病によりゆるやかに滅亡していく様子を描いている。

これらを通して我々の「変化」に対する向き合い方や、人々の生命感の違いを「思考」させようという試みを行っている。

『私たちは崩壊と誕生に飲み込まれながら生きている。「変化」と向き合い「生命」とは何か、思考する』」

 なお、「Window Gallery in Marunouchi from AATM vol.2」には両名の他に、過去にAATMに参加し現在精力的に活躍している3人のアーティスト(田中彰、野原万里絵、山口由葉)の新作も併せて展示されています。

展示風景

展示風景

 年末年始、“今”を感じるアート作品を行幸地下ギャラリーで味わいましょう。鑑賞は無料です。

「Window Gallery in Marunouchi from AATM vol.2」
開催期間:2024年11月20日(水)~2025年1月26日(日)
時間:11:00~20:00※最終日は18:00まで
場所:行幸地下ギャラリー(東京駅側)
出展アーティスト:
高田マル(AATM 2024グランプリ)
朝井彩華(AATM 2024三菱地所賞)
田中彰、野原万里絵、山口由葉(過去AATM参加作家)
主催:三菱地所株式会社
お問い合わせ:丸の内コールセンター TEL:03-5218-5100 ※11:00~21:00 但し、日曜・祝日は20:00まで(連休の場合は最終日のみ20:00まで)
Webサイト:https://www.marunouchi.com/pickup/event/4732/

【AATMとは】
若手アーティストの発掘・育成を目的とした現代美術の展覧会です。18回目の開催を迎えた今年は、全国18校から147点の作品がノミネートされ、審査会による選考のうえ、参加作家20名が決定しました。

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