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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第88回

1枚の画像から、歩き回れる“世界”ができる 来年のAIは「ワールドモデル」がやばい

2024年12月16日 07時00分更新

文● 新清士

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遠くない将来、3D空間を劇的に簡単に作れる可能性

 このような形で、生成AIの究極のゴールのひとつは、ユーザーが望む世界を生成し、その世界との自由なインタラクションを実現するという方向です。なんとかそれを実現しようと実現が比較的容易にできる方法から、ハードルの高い方法まで複数の方法が試されています。現状は、研究レベルのものが多い様子ですが、今後、オープンモデルも多数登場してくるのではないかと思います。2024年は動画生成AIがすごく多い年になりましたが、2025年はワールドモデルのサービス化が増えることになるでしょう。

 ワールドモデルが何に使われるかといえば、第一の目的にはゲームがありますが、もっと気軽に作れるインタラクション空間への期待があるでしょう。3D空間作成は小さな空間であっても非常に手間がかかります。それが、1枚の画像さえあればできてしまう。もちろん、現時点ではできることには限界が数多くあります。画像サイズも小さいし、何が生成されるかもわかりません。しかし、そう遠くない将来に、大きな3Dエンジンを使わなくても、リアルタイムな3D空間を劇的に簡単に作れてしまう、そんな可能性が見えてきています。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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